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イチロー2つの偉業 米メディア「現実のもの」「想像上の世界のもの」と紹介


今季メジャー史上30人目の3000安打という金字塔を打ち立てたマーリンズのイチロー外野手。アメリカとカナダのメディアによる総括特集では、「2016年の主役」で“次点”として選出されている

■“ローズ超え”と3000安打の見方に違い? 「もしも、日本のプロ野球時代を含めるとすれば…」

 今季メジャー史上30人目の3000安打という金字塔を打ち立てたマーリンズのイチロー外野手。アメリカとカナダのメディアによる総括特集では、「2016年の主役」で“次点”として選出されている。

 ヤフースポーツ・カナダでは、「MLBの1年を振り返る 2016年のパーソン・オブ・ザ・イヤー」と題した特集記事を掲載した。記者陣が「野球にインパクトを与え、驚きと喜びをもたらし、記憶に残る1年とした人物」を選出。カブスを108年ぶりの世界一に導いたテオ・エプスタイン副社長、今季限りで現役を引退した元レッドソックスのデビッド・オルティス、ワールドシリーズ進出に導いたインディアンスのテリー・フランコーナ監督、通算3000安打に58本と迫るレンジャースのエイドリアン・ベルトレ内野手の4人が選ばれた。

 そして、イチローは次点の筆頭で登場。寸評では「イチロー・スズキ、彼は二つの大きなマイルストーンを打ち立てた。1つは現実のもの、もう1つはどちらかというと想像上の世界のものだ。彼はMLB3000安打を放った。そして、ピート・ローズの通算4256安打という記録を超えた。もしも、イチローの日本のプロ野球時代を含めるとすれば、だ」とされている。

 3000安打の偉業については文句のつけどころはないが、日米通算安打記録は“注釈付き”とレポート。米国内では、“ローズ超え”にはいまだに様々な議論が存在することは確かで、2つの偉業に対する見方にはやはり違いがあると言えそうだ。

■米スポーツ誌でもイチローの記事が“次点”で選出

 イチロー以外にも、MVPに輝いたカブスの主砲クリス・ブライアント内野手、ドジャースの名物アナウンサーで今季限りで退任したヴィン・スカリー氏、インディアンスの救援左腕アンドリュー・ミラー投手、カブスの名将ジョー・マドン監督も“次点”となった。

 一方、米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」は「2016年MLBの最高のストーリー」として珠玉の記事をピックアップ。「3000安打を放ったイチロー・スズキはバリー・ボンズからどんな助力を受けたのか」というベン・ライター記者の記事は、こちらも“次点”で選出されている。

 一方で、1908年以来のワールドシリーズ制覇を果たしたカブスのプレーオフ第7戦、スカリー氏、ミラー、ボート事故で悲劇の死を遂げたマーリンズのホセ・フェルナンデス投手、オルティス、メジャー殿堂入りを果たした元外野手のケン・グリフィー・ジュニア氏らの記事が最高のストーリーに選ばれた。

 今季、メジャーの歴史に新たな1ページを刻んだ背番号51。43歳で迎える来シーズンはどんなストーリーを描くのだろうか。

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