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イチローは「歴代最高のヒットキング」 米メディア改めて“ローズ超え”称賛


米NBCスポーツが2016年のメジャーリーグ名場面のトップ25を順番に紹介する企画を行っており、マーリンズ・イチロー外野手の“ピート・ローズ超え”が13位で登場。記事では、イチローを“世界一のヒットキング”と称えている。

■2016年の名場面に選出、「イチローの最多安打にケチをつける人はいない」

 米NBCスポーツが2016年のメジャーリーグ名場面のトップ25を順番に紹介する企画を行っており、マーリンズ・イチロー外野手の“ピート・ローズ超え”が13位で登場。記事では、イチローを“世界一のヒットキング”と称えている。

 同メディアの年末企画の中で、背番号51の偉業は「イチローが歴代最高のヒットキングになる」とのタイトルで登場。記事では「イチローが最多安打を記録していることにケチをつける人はいない」としつつ、「しかし、彼はNPBで1278安打を記録し、6月15日のパドレス戦時点では2978安打をアメリカで記録していた」と日米合算の記録であることを紹介している。

 イチローは同日の試合で捕前内野安打で日米通算4256安打とすると、9回にライト線への二塁打を放ち、4257安打としてローズのメジャー歴代最多安打記録を超えた。敵地サンディエゴのペトコ・パークは大歓声に包まれ、相手選手も拍手を送るなど、感動的なムードとなった。

 一方、米国内では日米通算の記録であることに様々な意見があったことも確かで、記事では「多くの人々は、我々がイチローを『ヒット・キング』と呼ぶことを訂正しようとした。我々が未だピート・ローズがMLB記録を保持している事実を棚にあげているとし、純粋にイチローの偉業達成を喜ぶということに疑問を呈した」と指摘。さらに、「ローズ自身も噛みついた。イチローの『ヒット・キング』に対して、自身は『ヒット・クイーン』であると。これはローズにとって敬意を欠く一件であった」と、記録保持者のローズ自身が快く思っていなかったという事実も紹介している。

■「ヒット数はこれからも引き続き伸びていく」

 ただ、イチロー自身はローズの発言に“大人の対応”を見せており、達成後の記者会見では「僕としては日米合わせた数字ということで、どうしたってケチが付くことは分かっている」と言及。その上で、「チームメートだったり、記録の時はいつもそうですけど、ファンの方だったりと、ああいう反応をしてもらえるとすっごくうれしかったですし。そこですね。それがなかったら、何にも大したことないです」と話していた。

 記事でも、「ESPN The Magazine」でのインタビューでイチローが話した内容を紹介。「正直ちょっとうれしかったんですよ。彼が僕を認めてくれたって感じがしたから。5年ほど前に、ローズがインタビューで僕に記録を破ってもらうことを期待していると語った、ということを耳にしました。もちろん、今回は違いましたね。ここにきて16年が経ち、自分が感じているのは、誰かを格下だと見ている時は、その人を褒めたり好意的なことを言う。だけど、自分と同じレベルだったり、越されたと思った途端、攻撃するようになるんです。今回そういったことを感じました」という長いコメントを掲載し、「その通りであろう」と付け加えている。

 さらに、記事の筆者は、イチローがその後、史上30人目のメジャー通算3000安打を達成し、今季は3030本までヒットを積み上げたこと、打率.291、出塁率.354、長打率.376という成績を残したことを挙げ、「この原稿を書いている私と3か月しか年齢が変わらない男の成績としては、悪くはないはずだ」と称えた。

 マーリンズはシーズン終了直後にイチローとの契約延長オプションを更新。球団が選択権を持つ形で、2018年の契約延長オプションも新たに付け加えれた。これを受け、特集は「つまりヒット数はこれからも引き続き伸びていくということだ」との一文で締めくくられている。43歳で迎える来季も、イチローの1本1本のヒットに大きな注目が集まる。なお、2016年名場面の12位以上も今後発表される予定となっており、再びイチローが登場する可能性もありそうだ。

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