BASEBALL GATE

大学野球

打撃改造に成功した宇草孔基が決勝本塁打!法大が早大破り3年ぶりの開幕戦勝ち点【東京六大学野球-法政大vs早稲田大3回戦】

9月10日、東京六大学野球秋季リーグ第1週3日目が行われ法大が延長11回の末、5対4で早大に競り勝ち、2015年秋以来となる開幕戦の勝ち点を獲得した。

決勝本塁打を放ち場内を悠々と一周する宇草。公式戦通算2本塁打目は勝ち点に直結する貴重な一打となった

 不退転の覚悟で打撃改造に取り組んできた男が試合を決めた。9回2死から早大に追いつかれて延長戦にもつれ込ん法大だったが、11回2死から宇草孔基内野手(3年・常総学院)が身長200cm左腕・今西拓弥投手(2年・広陵)のカーブを引っ張ってライトスタンドに運び、これが決勝点となった。

 常総学院高時代は侍ジャパンU-18代表に選出された実績を誇るが、法大で今春までレギュラー定着に至らずにいた。そこで青木久典監督は宇草に打撃フォームの改造を提案。これまでは俊足を生かそうとするがあまり、一塁側に傾く「走り打ち」のようになっていたが、これをやめさせ「しっかり振り切るように」変えた。また、これまでは足を上げてタイミングを取っていたが、すり足に変えて、より確率を上げられるように取り組んだ。

 改造当初はタイミングが上手く取れず、ボールに差し込まれてファウルになってしまうことも多かったが、「決めたことは貫こう」と覚悟を決めた。すると夏のオープン戦で対左投手にも結果を残せるようになり、「1番・左翼手」の定位置を獲得。開幕から2日でそれぞれ1安打、2安打を放つと、この日は6回に逆方向のレフト前へ、8回は同点の口火を切るセンター前安打を放ち、11回にライトへ本塁打を放ち、広角に打ち分けた。
さらに初回には守備でレフト線のライナーをダイビングキャッチして先制点を防いだ。そんな大活躍にも「絶対に優勝しかない。まだまだこれからです」と気を引き締める姿がより頼もしさを感じさせた。

足を上げず、すり足での打撃フォームに改造。青木監督も「球筋が良く見えて上手くバットを入れることができている」と評価している

★法政大vs早稲田大3回戦
法大 00000004001=5
早大 02000100100=4
(延長11回)
【法】三浦、高田、朝山、○石川、菅野-中村浩
【早】小島、西垣、早川、●今西-岸本
本塁打:法大・宇草(11回2回ソロ)早大・檜村(2回2ラン)
※法大2勝1敗

文・写真=高木遊