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震災復興の願いも込め…今年で16度目、宮城出身プロ野球選手が野球教室開催


NPO法人野球振興ふるさと宮城プロ野球選手・OB会などが主催する「がんばろう!宮城 少年少女野球教室」が23日、東北福祉大学トレーニングセンターで開催され、野球チームに所属する宮城県内の小学生約300人が参加した。

■宮城県内の小学生約300人が参加、プロ野球OBと現役選手の11人が講師

 NPO法人野球振興ふるさと宮城プロ野球選手・OB会などが主催する「がんばろう!宮城 少年少女野球教室」が23日、東北福祉大学トレーニングセンターで開催され、野球チームに所属する宮城県内の小学生約300人が参加した。

 宮城県出身者では初のプロ野球100勝投手の若生智男氏(仙台市出身)、ヤクルトで活躍し、コーチやスカウトも務めた八重樫幸雄氏(仙台市出身)、来季から巨人の2軍内野守備走塁コーチとなる小坂誠氏(山元町出身)らプロ野球OB、そして現役の楽天・阿部俊人内野手(東北福祉大卒)、今野龍太投手(大崎市出身)ら11人が講師を務めた。

 野球の振興と普及を目的に2001年から活動するNPO法人野球振興ふるさと宮城プロ野球選手・OB会。同年から野球教室を始め、今年で16回目を迎えた。2011年の東日本大震災後からは「がんばろう!宮城」も付け、震災復興の願いも込め、宮城県の野球少年たちを対象に野球教室を開いてきた。

 野球教室ではまず、少年たちが講師の元選手、現役選手の前に列を作り、一人ひとりとキャッチボールを行った。その後は投手、捕手、内野手、外野手とポジション別に分かれて守備練習。小坂氏とともに内野を担当した阿部は「打球を怖がって、引いてエラーをしている子がいた。エラーをするなら、前に出て積極的なエラーを」と自らノックを打ちながらアドバイスを送った。投手も講師陣からの助言を受けてブルペンで投球練習。打撃練習ではティー打撃を行い、講師陣が選手の一人ひとりのスイングをチェックした。

■初参加の阿部は「初心にかえれた」、今野も「飲み込みが早い」と感心

 阿部は埼玉県で育ったが、両親が宮城県の出身。自身も仙台市で生まれ、東北福祉大から楽天入りした。「がんばろう!宮城 少年少女野球教室」は初参加となり、「楽しかったです」と笑顔。野球少年たちとのふれあいはもちろん、プロを目指して4年間、汗を流した母校のトレーニングセンターでの野球教室に「久しぶりに来たので、懐かしいですね。大学1年の初めて来た感じを思い出し、初心にかえれました」と、7年目となる来季への気持ちを新たにした。

 投手を指導した大崎市岩出山出身の今野は「教えたことをすぐに吸収してくれた。飲み込みが早いですね」と感心。それでも、「すぐにはできないこともあるので、今日、教わったことをちょっとずつやっていってくれれば」と今後に期待した。

 今野は部員11名の岩出山高からプロ入り。現在は、昨年10月に右ひざを手術した影響から育成契約となっているため、「支配下選手になれるよう、しっかりとやれることをやって、キャンプからアピールをしたいです」と巻き返しを誓った。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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