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2億円増、大幅ダウン…DeNAの年俸増減で見るCS初進出への貢献度


この時期、話題となるプロ野球の契約更改。活躍に応じて上がったり下がったり、悲喜こもごもの季節だが、DeNAはすでに全選手の更改を終えた。チームは今季、球団創設5年目で初のクライマックスシリーズ進出。果たして、どんな増減があったのか。金額から見る、それぞれの貢献ぶりを振り返る。

■昇給額トップは2億円増の筒香、昇給率はあの5年目外野手

 この時期、話題となるプロ野球の契約更改。活躍に応じて上がったり下がったり、悲喜こもごもの季節だが、DeNAはすでに全選手の更改を終えた。チームは今季、球団創設5年目で初のクライマックスシリーズ進出。果たして、どんな増減があったのか。金額から見る、それぞれの貢献ぶりを振り返る。(年俸の金額は推定)

 昇給額でトップだったのは、主砲の筒香だ。今季の1億円から実に2億円増となる3億円に到達。高卒8年目シーズンで3億円の大台に到達するのは巨人・松井秀喜、西武・松坂大輔ら歴代のスター選手と並ぶ快挙となった。今季は44本塁打、110打点で自身初タイトルとなる打撃2冠を達成。就任2年目となった主将としてチームを牽引したことも最大限に評価され、歴史的昇給となった。

 200%増の筒香を上回り、アップ率でトップだったのは、リードオフマンの桑原。2700万円増の4000万円。1300万円からのアップ率は207%になった。5年目の今季は6月中旬から1番に定着。打率.284、11本塁打と打撃が開花し、持ち前の俊足を生かして19盗塁、さらに中堅守備でも好守を連発した。走攻守を生かしたプレーで切り込み隊長として欠かせない存在となり、高い評価を受けた。

 ほかに打撃陣で大幅増を勝ち取ったのは、倉本と宮崎だ。2年目の倉本は遊撃手のレギュラーを掴み、粘り強い打撃で打率.294と攻守両面で貢献。169%(2700万円)増の4300万円となった。4年目の宮崎は主にクリーンアップで起用され、11本塁打と持ち前のパンチ力を発揮。150%(1800万円)増の3000万円でサインした。

■救援陣も大幅昇給、須田「頑張れば、評価してもらえる」

 投手陣で目立ったのは石田と今永。2年目の石田は初めてローテーションを1年間守り、9勝をマーク。167%(3000万円)増の4800万円となった。ルーキーの今永は12球団新人トップの8勝を挙げ、同じく167%(2500万円)増の4000万円を勝ち取った。

 一方で見逃せないのは、救援陣の昇給だ。勝ちパターンを形成した田中が139%(2500万円)増の4300万円、須田が132%(2500万円)増の4400万円、三上が100%(3000万円)増の6000万円、山崎康が60%(3000万円)増の8000万円となった。

 リリーフといえば、決して目立つポジションではない。実際、田中や須田の名前が報道で取り上げられることは決して多くなかった。しかし、今季のDeNAの躍進は彼らの支えがなくしてあり得なかったのは事実であり、球団もその点をしっかりと査定に入れていた。

 チーム最多62登板の須田が「リリーフでも頑張れば、評価してもらえる」と話したように、救援陣にとっては大きな意味があったといえる。

■減額では久保康が2000万円ダウン、13年ドラ1右腕は300万円減

 昇給を勝ち取った選手もいれば、もちろん減額を言い渡された選手もいる。ダウン額で最も大きかったのは、ベテランの久保康。今季は1年間、ローテを守ることができず、自己最少の15登板で5勝どまり。2000万円(17%)ダウンの1億円で更改した。中堅組でいえば、石川が700万円(10%)減の6300万円、荒波が700万円(17%)減の3300万円と目立った。

 ダウン率が最も大きかったのは、3年目の柿田だ。13年のドラ1右腕は3年連続で1軍登板なし。300万円(27%)減の800万円。背番号も「13」から「91」に変更されることが決まっている。ほかにも高崎が800万円(24%)減の2500万円、黒羽根が600万円(23%)減の2000万円、平田が300万円(23%)減の1000万円、山崎憲が500万円(22%)減の1700万円と1軍戦力になれなかった面々が大幅ダウンとなっている。

 チームに貢献できれば大幅な昇給を勝ち取り、できなければ容赦なく減額されるプロ野球の世界。初のCS進出を果たしたDeNAでも貢献度合いに応じて、査定に基づいた金額が提示された。19年ぶりのリーグ優勝&日本一を目指す来シーズン。果たして、どの選手が活躍し、来オフの大幅アップを勝ち取るのか。それは選手にとってはもちろん、ファンにとっても楽しみになる。

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