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イチローとの師弟の絆を象徴する“宝物” 「絶対に誰にも渡したりしない」


2017年もマーリンズでプレーすることになったイチロー外野手。10月に43歳を迎えたベテランはメジャー17年目となる来季も4番目の外野手として起用されることが有力となっている。今季は史上30人目となる3000安打の偉業を達成。打率.229に終わった2015年から復調し、打率.291でシーズンを終えた。

■同僚の快足野手が語るイチローの影響力「驚くことばかり」「会った中で最高の人間」

 2017年もマーリンズでプレーすることになったイチロー外野手。10月に43歳を迎えたベテランはメジャー17年目となる来季も4番目の外野手として起用されることが有力となっている。今季は史上30人目となる3000安打の偉業を達成。打率.229に終わった2015年から復調し、打率.291でシーズンを終えた。

 メジャーを代表する安打製造機はチームに対してバッティングなどフィールドでの活躍以外にも大きな影響を及ぼしている。

「イチローのことは尊敬している。驚くことばかりなんだ。彼は今まで会った中で最高の人間だよ。僕だけでなく、他のチームメートにもすごく寛容だね。イチローとチームメートとして接することができるだけでも最高なことだよ」

 イチローへの心酔ぶりをこう明かすのはマーリンズのディー・ゴードン内野手だ。

 イチローと同じ2015年シーズンに、ドジャースからトレードで加入。同年は首位打者と盗塁王に輝く活躍を見せたが、2年目の今年はシーズン途中に禁止薬物の陽性反応が発覚し、80試合の出場停止処分を受けた。チームに衝撃が走るスキャンダルとなったが、復帰後は記憶に残るシーンも。船舶事故で急死したエース右腕、ホセ・フェルナンデス投手の追悼セレモニーが行われた9月26日のメッツ戦で、先頭打者ホームランを放つと号泣。亡き友に捧げた一打は見ている者の感情を揺さぶる名シーンとなった。

■イチローから学んでいること、「全てにおいて尊敬している」

 そんな28歳はイチローへの敬愛の念を隠そうとしない。背番号51からどのようなことを学び取っているのか――。

「僕は彼にとても影響を受けている。どの部分というよりも、全てにおいて尊敬しているんだ。日々のルーティンもそう。プロフェッショナルであり続けるということはどういうことなのか、彼を見ていれば理解できる。彼は野球に対する並外れた情熱を注いでいるんだ」

 ゴードンはそう語る。

 クラブハウスでは常にストレッチを怠らず、野球道具を大切に扱うベテラン。地元メディアからはグラブやバットなどを「トロフィーのように扱う」と評されたこともあった。周囲も感嘆するイチローの流儀は、同じ空間にいるトップクラスのメジャーリーガーにとっても大きな刺激となっているようだ。

■ゴードンがイチローからもらった宝物とは、「絶対に誰にも渡したりしない」

 ゴードンにはイチローから授かった宝物があるという。バットケースだ。

 バットの状態を最高に保つために除湿剤が備え付けられた特注品で、イチローがスプリングキャンプで持参した際にゴードン自身、一目で気に入った。イチローからプレゼントされた新品の特注ケースは、師弟の絆を象徴する代物だ。

「イチローからもらったバットケースを大切にしているよ。こんな素晴らしいものはない。絶対に誰にも渡したりしない。新しいものは必要ないよ。僕はイチローからもらった同じものを使い続ける。このケースを愛しているんだ」

 ゴードンはこう語ると目を輝かせた。

 メジャー通算3000安打で米球界にビッグニュースを届けたイチローだが、クラブハウスや練習場で垣間見せる流儀はメジャーリーガーにとっても最高のお手本となっている。

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