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田中将大と大谷翔平がヤンキースで同僚になる可能性は? 米記者が見解語る


日本ハムの二刀流・大谷翔平投手が、早ければ来オフにもメジャー挑戦に踏み切るとして、注目を集めている。争奪戦となれば、本命の1つになると見られているのが、メジャー随一の名門球団ヤンキースだ。地元メディアは、エース右腕・田中将大投手の去就が大谷争奪戦に影響を及ぼすか否かについて見解を示している。

■質問に記者が回答「タナカをチームに留めることで、オオタニ獲得の可能性が上がる?」

 日本ハムの二刀流・大谷翔平投手が、早ければ来オフにもメジャー挑戦に踏み切るとして、注目を集めている。新労使協定の影響で契約金に制限が設けられ、マイナー契約となるため年俸も低く抑えられる可能性が浮上しているが、日本ハムは来オフ以降のメジャー挑戦をすでに容認。本人の意思次第で海を渡ることが出来る。

 争奪戦となれば、本命の1つになると見られているのが、メジャー随一の名門球団ヤンキースだ。来オフ、先発投手の補強は必要不可欠で、165キロ右腕の獲得に本腰を入れることになりそうだ。地元メディアは、エース右腕・田中将大投手の去就が大谷争奪戦に影響を及ぼすか否かについて見解を示している。

 米メディア「リバー・アベニュー・ブルース」では、同サイトに寄稿している米CBSスポーツ(電子版)のマイク・アクシサ記者が読者の質問に答える企画を行い、2人の関係について言及した。読者は、以下の質問を同記者に投げかけている。

「タナカをチームに留めることで、オオタニ獲得の可能性が上がると思うか。これはタナカをトレードに出さない理由になるのか。ヤンキースは他球団に勝る財政的なアドバンテージがないので」

■来オフに契約破棄を選択する可能性もある田中

 田中は7年契約の4年目となる来季終了後に契約を破棄してFAになれる「オプトアウト」の権利を持っている。今季同様の成績を残せば、2018年以降の年俸は現在の2200万ドル(約26億円)から、3000万ドル(約35億4000万円)程度まで上がることは確実。「ヤンキースが優勝争いから離脱し、今季同様トレードに対して再度前向きになった時」「田中がオプトアウトを行使すると、ヤンキースが確信した時」という2つの条件がそろえば、若手有望株を獲得するため7月に田中をトレードに出す可能性もあると、同記者は以前から指摘していた。

 ただ、来オフの大谷獲得を考えた時に、同じ日本人投手の田中が残っていれば、争奪戦でメリットになるのではないか――。今回、読者からそのような疑問が持ち上がった。そのためにヤンキースが田中を残留させるという考えになれば、同球団で田中と大谷の両選手を見たいと思うファンからすれば、“一石二鳥”になるというわけだ。夏にトレードに出さなくても、田中がオプトアウトしてFAになる可能性は高いため、その場合は球団側も再契約に全力を注ぐことになる。

 アクシサ記者は、前述の質問に「可能性はある」としながら「タナカとオオタニの関係性についは分からない。今オフシーズン、彼らはキャッチボールをした。しかし、単なるトレーニング仲間かもしれない」と言及。田中と大谷は今オフ、ダルビッシュ有の自主トレで顔を合わせており、キャッチボールを行う様子もインスタグラムで紹介されていた。アクシサ記者はその程度のことしか自身は情報をもっていないと率直に答えつつ、「2014年に私が聞いたことによれば、タナカとヒロキ・クロダは近しい関係ではなかったという。2人とも日本から来たからと言っても、相棒ということにはならない」と明かした。

■「タナカと再契約を結ぶかどうかについては、オオタニ獲得とは関係のない」

 確かに、田中はヤンキース入団が決まるまで、黒田と親しい関係ではなかった。ヤンキース入りが決まってからすぐに電話で連絡を取ったことを入団会見で明かし、フロリダ州タンパでのキャンプイン前日、バッテリー組集合日で初対面している。ただ、そこから1年間チームメートとして戦った2人は心の信頼関係を築き上げていった。メジャーの大先輩にあたる黒田の存在が大きなものであったことを、田中自身も強調している。

 黒田はキャンプ中、田中について「自分が25歳の時と比べられると、考えられないくらい落ち着いてる」と絶賛。田中は右肘靭帯部分断裂で長期離脱となった時、黒田に「迷惑かけます」とメールを送り、ベテラン右腕は「彼しか分からない色んなものを背負って投げていたので、少し野球の神様に休ませてもらえると思う。ゆっくり休んで、できれば最短で戻ってきてくれればチームとしてもいいですね。彼なりにここまでずっと突っ走ってきたので、そういう怪我も仕方ないと思います」と、メディアを通して温かい言葉を送っていた。

 田中と大谷はすでに交流があるが、それがヤンキースを選ぶという決断につながるとは限らない。ただ、逆に大型契約を結ぶ田中がいることで、ヤンキースが大谷争奪戦から撤退する可能性はないと、アクシサ記者は説明する。

「タナカをロースターに加えることで、ヤンキースがオオタニ獲得のチャンスを損なうとは思えない。タナカと再契約を結ぶかどうかについては、オオタニ獲得とは関係のないことだ」

 2018年から田中と大谷の2人がピンストライプのユニホームを着て、先発ローテーションを形成する可能性も十分にありそうだ。

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