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契約破棄の前にトレードも!? ヤンキース田中の去就を米メディアが予想


来季終了後に契約をオプトアウト(破棄)してフリーエージェント(FA)になる権利を持っているヤンキースの田中将大投手。大事なエース右腕の流出阻止に向けて、地元メディアは「何としても引き留めろ」「契約延長をしよう」など、数多くの“提言”をしている。一方で“常勝軍団”ヤンキースの復活を願うファンは、田中の流出を危惧しつつ「延長できなかったらトレードもやむなし」と考えているようだ。

■ヤ軍ファン「契約延長できなかったらトレードに出したら?」

 来季終了後に契約をオプトアウト(破棄)してフリーエージェント(FA)になる権利を持っているヤンキースの田中将大投手。大事なエース右腕の流出阻止に向けて、地元メディアは「何としても引き留めろ」「契約延長をしよう」など、数多くの“提言”をしている。一方で“常勝軍団”ヤンキースの復活を願うファンは、田中の流出を危惧しつつ「延長できなかったらトレードもやむなし」と考えているようだ。

 米メディア「リバー・アベニュー・ブルース」では、同サイトに寄稿している米CBSスポーツ(電子版)のマイク・アクシサ記者が読者の質問に答える企画を行った。その中で、数多く寄せられた質問の1つが「もしヤンキースがマサヒロ・タナカと契約延長できなかったら、代わりにトレードに出すことはできませんか?」というものだったという。アクシサ記者は「今オフにトレードされる可能性はゼロ」としながら、来季開幕後に迎えるトレード期限(7月31日)までにトレードされる可能性については「別の話。2つの条件が重なればあり得る」と答えている。

 今オフにトレードされる可能性について「ゼロ」と答えた背景には、ヤンキースが守護神アロルディス・チャップマンと5年8600万ドル(約101億3400万円)の契約を結んだことがある。これだけの大型契約を結んだということは、ヤンキース首脳陣は来季もペナントレースを勝ちにいく方針であることの表れ。先発ローテーションの軸で”エース”の田中を今オフにトレード放出して若手有望株を複数獲得したとしても、来季の戦力として計算はできない。記事では「タナカの評価は今が最高潮かもしれない。さらに今オフのFA市場はハズレ」と、見返りに多数の有望株を獲得できる可能性にも触れているが、現実問題としてあり得ないと結論づけている。

■来季早々に優勝争いから離脱したらトレードの可能性は十分

 では、来シーズン開幕後はどうだろう? 毎年7月31日にはウェーバー手続きを経ないトレード期限が訪れ、期限前には大型トレードが敢行されている。記事では、開幕後のヤンキースに「2つの条件が重なれば」田中のトレードはあり得ると予測。その2つの条件とは「ヤンキースが優勝争いから離脱し、今季同様トレードに対して再度前向きになった時」「田中がオプトアウトを行使すると、ヤンキースが確信した時」だという。

 つまり、チーム状況が悪く、シーズン終了後には田中が契約をオプトアウトしてFAになるのであれば、シーズン中に田中をトレード放出して有望株を獲得した方が得策だ。田中にクオリファイングオファーを出しても、拒絶して他球団と契約した場合、その対価として、ヤンキースには翌年のドラフトで4巡目後に追加のドラフト指名権が与えられるだけで、ほとんど実益はない。その代わりに、今季のチャプマンのように、シーズン途中でカブスにトレード放出して若手有望株を獲得、さらにFAとなった後で契約を結び直した方が、ヤンキースにとって実益は大きい。一方で、田中が全球団を対象としたトレード拒否権を持っているという事実もある。

 ほぼ間違いなく来シーズンの開幕をヤンキースの一員として迎える田中だが、契約延長が実現しなかった場合、シーズン終了後に自らがオプトアウトの権利を行使するか否かの決断を下す前に、まずは7月末にチームがエース右腕の処遇に関して何らかの決定を下すことになりそうだ。

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