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高校野球

日大三がサヨナラ弾で5年ぶりの夏甲子園!プロ注目の日大鶴ヶ丘・勝又温史は力尽く

第100回全国高等学校野球選手権記念大会・西東京大会決勝

日大三5x-3 日大鶴ヶ丘(7月30日・神宮球場)

サヨナラ本塁打を放った大塚を迎える日大三の選手たち


3対3で9回を迎えた緊迫した試合で日大三の4番・大塚晃平外野手(3年)が試合を決めた。三振に倒れた主将の日置航内野手(3年)から「あとは任せたぞ」と声をかけられた大塚。気持ちを高ぶらせながらも「高めに浮いてくる変化球を狙っていました」という冷静な狙い通りに真ん中高めに入ってきた変化球を振り抜くと、打球はレフトスタンドに飛び込むサヨナラ本塁打となった。東京大会を秋春連覇して迎えながらも苦しい試合が続いた今夏だっただけに、小倉全由監督は「自分のせいでダメにしてしまいそうだった大会で選手たちが本当にやってくれました」と涙を拭った。

一方、敗れた日大鶴ヶ丘はドラフト候補右腕の勝又温史投手(3年)が今大会初めて完投。154球を投げて、140km/h後半から150km/hを超えるストレートやスライダー、カットボールを織り交ぜて10三振を奪う力投を見せたが最後は力尽きた。勝又は閉会式終了後に熱中症のような症状が出て病院へ直行。コメントを残すことはできなかったが、これまで指導してきた萩生田博美監督は「向こう気が強い選手なので、その特徴を殺さないようにとやってきました。技術でも気持ちでもすごく伸びてくれました」と成長を称えた。

また、大会前は守備を不安視していたが、この日は三塁手の鈴木颯人内野手(3年)らが再三の好守備を見せるなど決勝戦を無失策で戦い抜き、萩生田監督は「粘り強く戦っていれば接戦に持ち込めるんだと後輩たちに見せてくれました」と3年生を中心とした野手陣を労った。

★西東京大会決勝・日大鶴ヶ丘対日大三

鶴 020000100=3
三 200010002x=5
【鶴】勝又–齋藤
【三】中村、河村−佐藤英
本塁打:日大三・日置(1回2ラン)、大塚(9回2ラン)


サヨナラ負けで惜しくも甲子園には届かなかった勝又だが、今秋のドラフト候補に挙がり将来を嘱望されている


文・写真=高木遊