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高校野球

1年生捕手・山田将義が攻守で活躍し、二松学舎大附が連覇。都立小山台は初出場ならず【高校野球東東京大会】

第100回全国高等学校野球選手権記念大会・東東京大会決勝

二松学舎大附6-3都立小山台(7月29日・神宮球場)

1年生ながら落ち着いたプレーが光った山田

69年ぶりの決勝進出となった都立小山台の大応援団が駆けつける中、二松学舎大附の山田将義捕手(1年)が攻守で落ち着いたプレーを見せて、2年連続3回目の甲子園出場に導いた。

試合は序盤から一進一退の攻防が続いたが、5回裏に二松学舎大附が振り逃げで同点に追いつくと、なおも2死満塁で打席には8番の山田。前の打席でも犠飛を放っていたが「追い込まれていたので、なんとしてでもバットに当てようと思いました」としぶとく食らいつくと、深めに守っていたショートへの内野安打となり勝ち越しに成功。守っても、5回から救援した岸川海投手(3年)を「球が走っていたので勢いで押せるように」と強気にリードし、以降は小山台に得点を許さなかった。

これには主将の平間陸斗内野手(3年)も「相当なプレッシャーの中で淡々とプレーしていて凄い」と舌を巻いた。

山田のこれまでの球歴はエリート街道そのものだ。小学生時代には読売ジャイアンツJr.と侍ジャパン12U代表に選出。中学時代は軟式の侍ジャパンU-15代表で主将を務め、BFA U15アジア選手権優勝に貢献した。昨年の侍ジャパンU-15代表で指揮を執った伊藤将啓監督は「大人とよく喋ることができ、仲間には行動で示せる選手。彼にイメージを伝えると、それを動きに変えてくれました」と、抜群のコミュニケーション能力を振り返る。そして「すごく努力家でよくバットを振っていたのを覚えています」と話したように、決して奢らない姿勢が彼の成長を支えている。

そして1年生唯一のスタメンではあるが「僕が遠慮していたらチームが負けるという自覚を持ってプレーしています」と語るように、物怖じせず先輩投手たちに檄を飛ばしたり、適切なタイミングで間を取るなど、常に落ち着いた姿勢でチームに安心感を与えた。

そんな1年生離れした言動の数々ではあったが、甲子園での抱負を尋ねられると「下級生がやりやすいような雰囲気作りをしてくれている平間さんら3年生と長く野球がしたいです」と愛嬌たっぷりに白い歯を見せ、1年生らしい表情を見せた。

2年連続の甲子園出場を決めて喜びを爆発させる二松学舎大附の選手たち


★東東京大会決勝・都立小山台対二松学舎大附

小010200000=3
二01012020X=6
【小】戸谷–吉田
【二】大庭、岸川–山田


69年ぶりの決勝進出で夏の甲子園初出場を狙った小山台の健闘には大きな声援が送られた

文・写真=高木遊