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レンジャーズのダルビッシュ放出、現実味はあるのか…地元記者の見解は?


来季で6年契約が満了するダルビッシュ有投手について、レンジャーズはFAになる前にトレードで放出するべきだと、地元紙の記者が訴えている。また、悲願の世界一のためには、投手の補強は必須だと指摘。ダルビッシュがチームに残留した場合には、ポストシーズンで「エースの投球をしなければならない」と求めた。

■来季で6年契約満了しFAに、トレードで有望な若手を獲得するべきか?

 来季で6年契約が満了するダルビッシュ有投手について、レンジャーズはFAになる前にトレードで放出するべきだと、地元紙の記者が訴えている。また、悲願の世界一のためには、投手の補強は必須だと指摘。ダルビッシュがチームに残留した場合には、ポストシーズンで「エースの投球をしなければならない」と求めた。

 ダルビッシュは、昨年3月に受けた右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)後のリハビリを乗り越え、今年5月にメジャー復帰。右肩の張りで一時離脱もあったが、17試合登板で7勝5敗、防御率3.41、132奪三振の成績を残した。ただ、来季が6年契約の最終年。地元紙などによると、球団側は今オフにも契約延長交渉を行う方針を明かしていた。

 ただ、「ダラス・モーニング・ニュース」でレンジャーズ番を務めるエバン・グラント氏は、新たな契約は6年総額2億ドル(約230億円)規模になる可能性もあると指摘。今オフに交渉がまとまらなければ、ダルビッシュをトレードに出し、交換相手として他球団から有望な若手を獲得するべきだと訴えていた。

 さらに、同紙のコラムニストを務めるリック・ゴセリン記者は今回、地元ラジオ番組に出演。その中でのファンとのやりとりが、同紙のHPで公開されたが、ファンからの「レンジャーズがユウ・ダルビッシュと長期・高額契約を結ばない場合、彼をトレードに出すことについてどう思う?」との質問に以下のように答えている。

■チーム残留なら「今年の10月とは異なった投球を」

「どちらかと言うと、彼を手放して何も受け取らないよりは、トレードに出して有望株を何人か獲得したほうが良いと思う。多くの球団はこの考えに同意すると思う。なぜなら、トレード期限での選手加入は、チームを変えるからね。オフシーズンに彼をフリーエージェントとして放出するのではく、何かを得るべきだ」

 ダルビッシュがシーズン後に契約満了でFAとなれば、争奪戦に発展することは必至。再契約できなければ、レンジャーズは日本人右腕を“無条件”で手放すことになる。再契約できたとしても、争奪戦で条件が跳ね上がる可能性が高い。ただ、7月のトレード期限までに優勝を争っているチームなどに放出すれば、代わりに若手選手を獲得できる。そのほうが理に適っているというのだ。

 コール・ハメルズとダルビッシュの実力者2人が先発ローテの1、2番手を務めるレンジャーズ。ただ、3番手以降はやや力が落ちる。トレードでの獲得が噂されていたクリス・セールはレッドソックスに移籍し、先発投手の補強は進んでいない。ゴセリン氏はラジオ番組の中で、リーグ制覇に必要なこととして「投手そして投手、やはり投手だね」と強く訴えたという。

「レンジャーズは3番手、4番手そして5番手の先発投手をアップグレードする必要がある。ポストシーズンでは、コール・ハメルズとユウ・ダルビッシュがエースのような投球をしなければならない。今年の10月とは異なった投球をね」

 チームが来季も好調を維持すれば、世界一のために必要不可欠なダルビッシュのトレード期限での放出は現実味が薄くなる。チームに残った場合は、プレーオフでの好投が求められる。ブルージェイズと激突した昨年の地区シリーズでは、第1戦でハメルズが4回途中7失点と炎上。さらに、第2戦のダルビッシュも5回5安打5失点と打ち込まれ、3連敗で敗退となった。「エース」として、来季、同じ過ちは許されない。

 レンジャーズのユニホームを着て世界一を目指すことになるのか、それとも違うチームに求められて移籍し、躍進に貢献するのか。地元でも背番号11の去就への注目が高まっている。

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