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SB内川、2000万円アップでサインも「優勝に導けなかった悔しさしかない」


14日、ソフトバンクの契約更改で、内川聖一が2000万円アップの推定年俸3億5000万円でサインした。また、来季から年間シート20席を購入して『SAY1夢シート(仮称)』を新設。被災地の子どもたちを中心に招待することも発表した。

■2000安打に期待かかる来季は全試合出場が目標「いい時も悪い時もグラウンドで」

 14日、ソフトバンクの契約更改で、内川聖一が2000万円アップの推定年俸3億5000万円でサインした。また、来季から年間シート20席を購入して『SAY1夢シート(仮称)』を新設。被災地の子どもたちを中心に招待することも発表した。

 内川は、141試合に出場して2年ぶりの3割超えとなる打率.304、自身初の100打点超えとなる106打点のほか、18本塁打を記録するなど、4番打者として十分な成績を残した。

 変動制の複数年契約を結んでいる内川は、自らの成績が球団の評価につながったことには「ホッとしている」と語ったが、自分の成績そのものは「満足はないし、不満足でもない。1年間の結果がこれか、という程度」だという。それよりも優勝、日本一を逃した悔しさが口をつく。

「個人の成績がいいに越したことはないが、キャプテンとして日本一に導けなかった悔しさしかない」

 今季169安打を積み上げた、プロ通算安打は1896本。来季には通算2000安打達成の期待もかかるが「ケガしなければ手が届く数字。ただ、今は現実味もないし、実感もない」。それよりも「全試合に出たいという気持ちが強い」と内川は言う。

「今季の出場が141試合で(全試合出場に)2試合足りなかった。その2試合分を心に刻んでやりたいと思う。どんな状況でも、いい時も悪い時もグラウンドで味わいたいし、グラウンドにいるのが当たり前の選手、いてもらわないと困る選手でいたい」

■来季『SAY1夢シート』を設置「生で見ることによって夢につながる」

 内川が全試合出場を目指す要因は他にもある。来季、内川自身がヤフオクドームの年間シート20席を買い上げ『SAY1夢シート(仮称)』を設置。週末は熊本、大分の被災地の子どもたちを中心に招待することを決めた。

「震災復興支援の形として野球教室や被災地訪問という活動もあるが、やはり野球の生の空間を味わってほしい。熊本や大分には、生の野球を見たことがない子どもたちが多いし、生で見ることによって夢につながることもある。(子どもたちが来づらい)平日は大人の方にも日常から一度離れて生の野球に接してもらえるように。それもあるから、余計に全試合出たいというのはある」

 来季、目標とする数字については「(目指す)数字は正直ない」という。

「全試合に出て日本一になりたいというだけ。みんなで遠慮なくビールかけではっちゃけ合える瞬間まで頑張りたい」

 自らが招待した子どもたちの声援を受けながら、キャプテン・内川は来季も日本一という頂点を目指す。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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