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SB五十嵐、現状維持で更改 WLで先発経験「先発の谷間では真っ先に手を…」


13日、ソフトバンクの五十嵐亮太が契約更改。昨年、複数年契約を結んでおり、推定年俸3億5000万円に変わりはなかった。

■メキシコで5試合に先発「いろんな自分を試すことができた」

 13日、ソフトバンクの五十嵐亮太が契約更改。昨年、複数年契約を結んでおり、推定年俸3億5000万円に変わりはなかった。

 五十嵐にとっては不本意なシーズンだった。登板はホークス移籍後最少の33試合、0勝1敗7ホールド、防御率3.62という成績だった。

「自分のイメージとはまったく違うシーズン。変化できなかったというか、適応できなかった悔しいシーズンだった」

 それでも「後半はある程度方向性が見えてきたので、実戦でやった方が身に染み込む」と、自主的に海外ウインターリーグへの参加を球団に直訴。それが認められてメキシコに渡った。これまで中継ぎ経験しかない五十嵐は、先方の勘違いもあって登板7試合中5試合で先発登板。8イニングを投げるなど、数多くの“プロ初体験”を味わった。

「長いイニングを投げることでいろんな自分を試すことができたし、中継ぎでは見つけられないポイントを感じ取ることができた。『ロングリリーフもできますよ』とアピールしたいし、先発の谷間で『誰か先発できるやつはいないか?』って言われたら、真っ先に手を挙げるかもしれない(笑)」

 それでも、ホークスでの来季の役割は「もちろん中継ぎで7回や8回をしっかりと抑えること」と語る。

■「今年の悔しさを、いい意味で忘れずに」

「ただ、今年の成績を見て監督やコーチがどう考えるかわからない。スムーズにそこ(7回、8回)に入れるとは思わないし、成績を残し続けることでしか信頼は得られない。しんどいシーズンになるだろうが、それも自分が招いてしまったことだから、自分により厳しくやっていきたい」

 その言葉どおり、五十嵐はキャンプやオープン戦でも必死のアピールを続けていくことになる。

「今年の悔しさを、いい意味で忘れずにやっていきたい。チームの優勝が第一だが、その中で自分がどういう役割を果たせるのか。自分としては(大事な場面を)任せてもらえる立場になりたい」

 カーブの質、カットボールの質が向上し、スプリットの習得にも手応えを感じるなど、メキシコで得たものは大きい。それを来季にどうつなげていくのか、ベテラン右腕の動向に注目したい。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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