- 社会人野球
2018.07.14 00:09
“熱男”桝澤怜の2本塁打でNTT東日本が連覇へ好発進!東邦ガス破る【都市対抗野球】
7月13日、社会人野球最高峰の戦いである第89回都市対抗野球大会が開幕。その開幕戦で前回王者のNTT東日本(東京都)は桝澤怜外野手の2本塁打などで東邦ガス(名古屋市)を6対3で破り初戦を突破した。

一塁側だけでなくライトスタンドも埋めた大応援団に、勝利の挨拶をするNTT東日本の選手たち
前回王者のNTT 東日本は予選を免除されての推薦出場。厳しい予選を経ていない分、緊張感の高い実戦から遠ざかっていたが、その不安を入社3年目・桝澤のバットが吹き飛ばした。
初回に喜納淳弥内野手のタイムリー、越前一樹外野手の2ラン本塁打で3点を先制したNTT東日本は2回、1死一塁で桝澤を打席に迎えた。
昨年までの桝澤は厚い選手層の中で出場機会は決して多くなかった。亜細亜大の先輩でもある飯塚智広監督は「どこかモジモジしているようで、思いきりが足りなかった」と、持ち味の長打力を生かしきれない後輩を苦々しく思っていた。
そこで授けた助言は「亜細亜の良い先輩を真似ろ」というもの。打撃はもちろんのこと、明るい性格でもチームを引っ張るソフトバンクの松田宣浩を例に挙げた。さらには、ベテランの目黒聡外野手にも付きっきりで打撃指導をしてもらいセンター中心の打撃を叩き込んだ。

亜細亜大時代の同期・藤岡裕大(ロッテ)の活躍にも刺激を受けているという桝澤
そんな監督と先輩外野手の助言もあり、打撃好調で都市対抗開幕戦のスタメンを9番ながら勝ち取った桝澤が期待に応えた。1ボールからの甘く中に入ったストレートを振り抜くと打球はレフトスタンドに飛び込む2ラン本塁打となった。そして、ベンチ前で選手とのハイタッチを終えると、オレンジ色に染まったライトスタンドに向かって、松田さながらの熱男ポーズを決めてみせた。
さらに桝澤はこれだけでは終わらず、今度は7回にバックスクリーン左横に飛び込むソロ本塁打を放ちダメ押し。目黒から教わった打撃の理想形とも言うべきセンターへの当たりは、「舞い上がってしまいまし
た」と熱男ポーズさえ忘れさせるほどの会心の一発となった。
「(昨年の優勝時に)次は絶対にこの輪の中心に入るんだ」という気持ちで振り込みを重ねてきたという長距離砲が、その思いを叶えるべく今後もチームをバットで引っ張っていく。

亜細亜大時代から高い長打力を期待されていた桝澤が、ついに大舞台で力を発揮した
◎1回戦
東邦ガス 003000000=3
NTT東日本 32000010X=6
【邦】●小椋、九谷、立野、水田−柴田
【N】○大竹、沼田、末永−上田
本塁打:NTT東日本・越前(1回2ラン)桝澤(2回2ラン、7回ソロ)、東邦ガス・南(3回ソロ)
文=高木遊
写真=山本晃子