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元阪神・呉昇桓はMLBトップクラスのリリーバー!? 年俸18億円の価値か


メジャー1年目からカージナルスで大活躍を見せ、クローザーに定着した元阪神の呉昇桓投手。9月には、30試合を締めくくれば契約延長という条件をクリア。来季は2年目のシーズンを迎える右腕について、米メディアはリリーバーとしてメジャートップクラスの年俸18億円の価値があると評価している。

■来季は基本年俸3億円、地元メディア「でかした、モゼリアックGM」

 メジャー1年目からカージナルスで大活躍を見せ、クローザーに定着した元阪神の呉昇桓投手。9月には、30試合を締めくくれば契約延長という条件をクリア。来季は2年目のシーズンを迎える右腕について、米メディアはリリーバーとしてメジャートップクラスの年俸18億円の価値があると評価している。

 呉昇桓は今季、76試合に登板して6勝3敗19セーブ14ホールド、防御率1.92と圧巻の成績をマーク。79回2/3を投げて103奪三振18四球、WHIP(1イニングあたりの四死球+被安打)0.916と、まさに獅子奮迅の活躍を見せた。中継ぎとして開幕を迎えたが、ローゼンタールの不調により、シーズン途中からはクローザーに昇格した。

 地元メディア「KangarooCourtSTL.com」は、呉昇桓についての特集記事を掲載。その中で「2年目(2017年)の契約詳細は不明だが、カージナルスが彼を安価にキープできることは確かなようだ。でかした、ミスター・モゼリアック(GM)。しかし、2017年以降はどうなんだ?」と疑問を投げかけている。

 呉昇桓の来季の基本年俸は、275万ドル(約3億1600万円)となっている。これに出来高も付くが、確かにメジャーリーガーとしては安い。今オフには、アロルディス・チャプマン投手、ケンリー・ジャンセン投手、マーク・メランソン投手がFAとなり、リリーバーの「ビッグ3」と称されたが、争奪戦となって契約総額も上昇した。

 まずは、メランソンがジャイアンツと4年総額6200万ドル(約71億3000万円)で契約。これは契約総額、そして年平均額(1550万ドル=約18億円)ともにMLBリリーバー史上最高だった。しかし、その後、チャップマンの半年ぶりのヤンキース復帰が決定。5年総額8600万ドル(約99億円)で合意し、すぐに史上最高額を更新した。

■呉昇桓は「メランソンが獲得したような契約も正当」

 記事では、「(メランソンやチャップマンの契約を見ると)、今、呉と契約延長を交渉したり、2017年シーズン後に彼を引き戻そうとした際に、モゼリアックは困ることだろう」と指摘。インディアンスのワールドシリーズ進出に大きく貢献した左腕アンドリュー・ミラーのポストシーズンでの活躍で「シャットダウン・リリーバーの価値は史上最高となっている」とした上で、以下のように分析している。

「純粋にミラーのボールと比較すると支配の程度は一段劣るが、呉は確かにかつての韓国や現在のMLBで実績を残しており、メランソンが獲得したような契約にも正当だ」

 31歳のメランソンと違い、34歳の呉昇桓に4年契約は難しいかもしれないが、1年1550万ドル(約18億円)の価値は十分にあると絶賛している。

「球団は金をうなるほど持っていて、使う必要があるなどとカージナルスファンが憤る中、呉やカルロス・マルティネス、ステファン・ピスコッティ、近いうちにアレックス・レイエスへも大幅アップが必要なことは織り込み済みだと留意しよう」

 記事では、他の選手の名前も挙げつつ、呉昇桓が来季終了後にFAとなれば、再契約には大金が必要だと指摘。カージナルスとしては手放したくない戦力だけに、1年後にどのような動きを見せるのか、注目が集まるところだ。

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