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観客動員の低迷が契機に 西武がファンクラブ企画に託す思いとは


オフシーズンに突入したプロ野球は各球団で早くも2017年シーズンのファンクラブ会員の入会募集が始まっている。毎年豊富な入会特典が特長の埼玉西武ライオンズのファンクラブは、2017年度も年会費1万円の「ハイグレード会員」につく特典として内野指定席引換券2枚(7000円相当)のほか、オフィシャルサプライヤー「マジェスティック」製のリュックやパーカーなど3点の記念品が選択でき、さらにファンクラブ特典向けに収録されたオリジナルDVDとファンブック(1290円相当)がつくという豪華な内容となっている。

■豊富な特典内容も魅力、埼玉西武が進めるファンクラブへの取り組み

 オフシーズンに突入したプロ野球は各球団で早くも2017年シーズンのファンクラブ会員の入会募集が始まっている。毎年豊富な入会特典が特長の埼玉西武ライオンズのファンクラブは、2017年度も年会費1万円の「ハイグレード会員」につく特典として内野指定席引換券2枚(7000円相当)のほか、オフィシャルサプライヤー「マジェスティック」製のリュックやパーカーなど3点の記念品が選択でき、さらにファンクラブ特典向けに収録されたオリジナルDVDとファンブック(1290円相当)がつくという豪華な内容となっている。

 なぜ埼玉西武のファンクラブ特典は、このように豊富な内容になったのだろうか。ファンクラブ運営を担当する西武ライオンズ事業部の吉田康治さんに聞いた。

 埼玉西武は、チームの成績不振も影響し2007年度に観客動員数が大幅に減少このことをきっかけに2008年度にファンクラブ中心に様々な取り組みが始まった。

「ライオンズには、以前から『友の会』というファン組織があり、多くの方々にご入会いただいておりました。球団としましても『友の会』を通して、多くのファンの皆さまとともに、球団経営を進めていきたいという文化がありました。『友の会』改め『ファンクラブ』となった現在も、ファンの皆さまにお楽しみいただけるよう、イベントなど様々な企画を考えております」

■新規ファン、常連ファンを考えた特典の企画

 豊富な特典を企画したのも「まずはたくさん試合を見て、よりライオンズのファンになってもらいたい」という思いからだ。

「球場に来て頂き、何回も来ているファンの方たちの応援の環境を体感してもらいたいと思います。そのため、応援グッズやユニフォームなどを入会記念特典としてご用意しております。また、気軽に来場していただけるように、中学生以下が入会できるジュニア会員では、西武プリンスドーム開催全試合に無料で入場いただける制度にしております。ユニフォームを着て応援して、ぜひライオンズを好きになって欲しいです」

 また継続して入会している会員にも喜んでもらえるよう、何度も観戦しているファンが欲しいと思うような入会特典もある。

「ファンになっていただいた会員さまには、その楽しさを、ご家族やご友人に伝えていただき、一緒に来場していただきたいという考えから、同伴者のチケットも会員価格で購入できるなどの制度を設けております。また、シートクッションなど『こういうの欲しかったな』と思うような入会特典なども考えています」

■炭谷が座談会の参加者を人選

 選手の座談会の模様を収めたDVDは、ファンクラブ特典のために撮影されたものだ。

「私が選手のロッカーに行った時に、そこで話している選手たちの話が面白かったんです。ファンの方たちにも聞いてもらえたら喜んでもらえるのではないかと思いました。そこで、ロッカーで話をしているような企画ができないか、炭谷銀仁朗捕手や、栗山巧外野手に相談をしました」

 炭谷は「座談会という形で撮影をしたらファンの方にも喜んでもらえるのではないか」と提案。参加選手の人選や企画の内容、撮影の流れも炭谷が考えているため、DVDは選手それぞれの個性が出る内容になっている。

「ファンの方からも『今まで知ることが出来なかった、選手たちのコミュニケーションを知ることができてよかった』という声を多く頂いています」

 2008年度は8万人だったファンクラブ会員数は、2016年度には9.6万人に増え、継続的に入会者数を増やしている。選手と共に考えるファンクラブ運営は、着実に成果を残しているようだ。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

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