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8選手のうち活躍した選手は一握り DeNA来季躍進のカギ握る助っ人の出来


球団創設5年目にして初のクライマックス・シリーズ進出を果たしたDeNA。大きな節目となったシーズンにおいて収穫と課題も残った。助っ人外国人の働きが、その一つ。今回は今季在籍した8選手を総括する。

■球団創設5年目で初のCS進出果たしたDeNA、外国人選手の働きはどうだった?

 球団創設5年目にして初のクライマックス・シリーズ進出を果たしたDeNA。大きな節目となったシーズンにおいて収穫と課題も残った。助っ人外国人の働きが、その一つ。今回は今季在籍した8選手を総括する。

〇ホセ・ロペス内野手
123試合、打率.263、34本塁打、95打点、推定年俸1億5000万円

 巨人から移籍2年目の一塁手は来日4年目でキャリアハイの成績を残した。本塁打数はリーグ3位の34発。同1位の筒香とともに形成したクリーンアップは他球団の脅威となった。8月には30打席連続無安打の大スランプを味わったが、CS争いも佳境の9月には月間MVPの活躍を見せた。

 難しいワンバウンド送球もいとも簡単に処理し、ゴールデン・グラブ賞を受賞した守備でもチームを助けた。この男なしにCS進出はなかっただろう。球団はシーズン中に来季からの2年契約を結び「DeNAで野球のキャリアを終えられるように、頑張りたい」と“生涯・ベイスターズ”を誓っている。

〇ジェイミー・ロマック内野手
30試合、打率.113、0本塁打、2打点、推定年俸7500万円

 ロペスとは対照的にブレーキとなったのが、今季から加入した助っ人だった。米マイナー通算200本塁打の看板を引っさげ、ラミレス監督から「5番・サード」として「20から25本塁打は打ってほしい」と大きな期待を受けて入団。春季キャンプの対外試合で場外弾を放ち、オープン戦ではチーム1号の一発も放った。

 だが、相手チームに対策を施されたシーズンでは急降下。日本の野球に対応できず、開幕から10試合で2安打にとどまり、2軍行きに。シーズンの大半をファームで過ごした。それでも腐らずに練習に取り組み、一塁まで全力疾走する生真面目な姿も見せたものの、シーズン最終盤の1軍昇格では2試合2打席で安打なし。通算71打数8安打と期待を裏切り、レギュラーシーズン終了直後、ポストシーズンを待たずに帰国。11月にパドレスとマイナー契約を結ぶことが発表された。

■物足りない成績に終わった助っ人投手陣

〇エリアン・エレラ内野手
79試合、打率.218、5本塁打、33打点、推定年俸8000万円

 前述のロマックが当たらず、シーズン途中の5月に緊急補強したのがエリアンだった。二塁、三塁をこなすドミニカ共和国出身のスイッチヒッターは外国人ながら2番でバントもするなど献身的にチームを支えた。

 一方で7月6日のヤクルト戦(横浜)では来日1号となる逆転満塁アーチを放ち、シーズン5本塁打はすべてヤクルト戦とキラーぶりを発揮。助っ人としては数字は物足りないが、CS最終ステージの広島戦では黒田から2ランを打つなど、意外性のある打撃は貴重な戦力となり、来季も残留が決まっている。

〇ギジェルモ・モスコーソ投手
13試合、5勝7敗、防御率5.18、推定年俸1億6000万円
〇ザック・ペトリック投手
15試合、3勝2敗、防御率5.51、推定年俸5000万円

 投手陣に目を移すと、野手陣に比べてもやや物足りない成績となった。入団3年目のモスコーソは開幕ローテ入りしたが、6月以降4連敗で2軍落ち。9月に1軍復帰して17日の阪神戦(甲子園)で勝利したものの、5勝止まりだった。

 今季から加入したペトリックは、シーズン序盤は中継ぎをこなし、先発陣に疲れが見え始めた7月から先発転向した。3勝をマークしたが、4、5イニングで降板する機会が目立ち、救援陣の負担を増やす結果となってしまった。ともに退団する見込みとなっている。

■ロペス以外は苦しんだ印象の助っ人陣、オフには積極補強を敢行

〇マイク・ザガースキー投手
32試合、3勝1敗3ホールド、防御率4.96、推定年俸3500万円
〇マイク・ブロードウェイ投手
5試合、0勝0敗0ホールド、防御率4.50、推定年俸6000万円

 ともに途中加入の救援陣は明暗が分かれる形となった。元広島のザガースキーは4月に入団。手薄な左のリリーフとして勝ち、負けの展開を問わずに起用されて須田、田中、三上、山崎康らとともにブルペン陣を支えた。7月に加入したブロードウェイは、1軍デビューとなった8月17日のヤクルト戦(神宮)で来日初球をバレンティンに本塁打されなど5失点と、その名の通り“劇場型”デビュー。結局、5試合の登板のみで戦力になれず、ともに退団がすでに発表されている。

 ほかに昨年入団し、中継ぎとしてブルペンを支えたヨスラン・エレラ投手は右肩の故障の影響により、1軍登板なく、退団となった。

 こうして見ると、ロペス以外は苦しんだ印象で首位・広島と大きく水を空けられる要因となった。ラミレス監督はシーズン後に「補強も必要になってくる。球団とも話していきたい」と語っていた通り、今オフは先発候補のウィーランド、抑え候補のパットン、パンチ力が売りのシリアコと積極的に新戦力を獲得している。

 筒香、梶谷ら看板選手に加え、今季急成長した桑原、倉本、宮崎、石田、今永など楽しみな日本人選手を従え、19年ぶりのリーグ優勝、日本一に臨む来シーズン。助っ人の活躍がチームの命運を握るかもしれない。

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