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早くも注目浴びる田中将大の来オフ動向 米サイト「何としても引き留めろ」


今季メジャーで自身初めて規定投球回に到達し、自己最多の14勝を挙げたヤンキース・田中将大投手。渡米3年目を終えた右腕はメジャー移籍時に7年総額1億5500万ドル(約178億円)という大型契約を結んだが、長期の契約にも関わらず、来オフの動向を注目する声が高まっている。

■来オフ動向が注目浴びる田中、ヤンキースへ流出阻止訴える声

 今季メジャーで自身初めて規定投球回に到達し、自己最多の14勝を挙げたヤンキース・田中将大投手。渡米3年目を終えた右腕はメジャー移籍時に7年総額1億5500万ドル(約178億円)という大型契約を結んだが、長期の契約にも関わらず、来オフの動向を注目する声が高まっている。特別付帯条項として「4年目終了後に契約破棄できる」という文言が盛り込まれているからだ。

 オプトアウト(契約破棄)と呼ばれるこの条項によって、田中は来シーズンを終えた段階でヤンキースとの契約を破棄することができる。今季と同様か、それ以上の好成績を残せば、メジャーでの評価はさらに高まり、より大きな条件を引き出せる状況となるだろう。逆に成績を落とすなどして契約をそのまま継続したほうがいい状況となる可能性もある。

 いずれにせよ、来季の成績やパフォーマンスは大きく影響するが、米スポーツ専門サイト「SBネーション」は「2017年より先もヤンキースはマサヒロ・タナカを引き留めるべき」との見出しで特集記事を掲載し、右腕との契約を何としてでも維持すべきとの主張を展開している。

 ヤンキースはこのオフ、一度はカブスに手放した守護神アロルディス・チャップマンが復帰することで合意。現地では5年総額8600万ドル(約99億円)の契約となると伝えられている。これについて、記事では「(ヤンキースが)真の優勝候補になるにはまだ数年を要するこの時期に救援にそんな金を使う価値があるとは思えない」と指摘し、「タナカが2017年以降もどこにも行かないよう保証する必要がある時には資金の余裕がないように見える」と危機感を募らせている。

■ヤンキースに田中が必要不可欠な理由は…

 特集では2018年シーズン以降もヤンキースに田中が不可欠となる理由にも言及。長年、先発ローテを支えたCC・サバシアとマイケル・ピネダが来オフでフリーエージェント(FA)となること、イバン・ノバは今シーズン途中でトレードとなり、ネイサン・イオバルディは今オフにリリースされたこと、ルイス・セベリーノは戦力として計算できないことなどを挙げている。

 さらにドジャースのクレイトン・カーショー投手が同じくオプトアウトを行使する可能性もあるが球団は絶対に引き留めることなどにも言及。「(来オフ)のFA市場は確かに今年の冬よりも優れているだろうが、それでも試合を変える能力のある選手は不足するだろう」とも伝えている。

 1年目の途中に右肘を負傷したことで健康面を不安視する声が続いていた田中。しかし、3年目の活躍によってその懸念を払しょくし、評価を大きく高めることになった。今回の記事でも「ヤンキースが若く安上がりな球団へと変わろうとしていることは明確だが、チャップマンとの記録的な契約を結ぶようなら、リーグ最高の先発投手の一人を抱えるために少し余分な支払いができてもいいだろう」と、是が非でも右腕を引き留めるべきとの論調でレポートしている。

 メジャー通算で39勝(16敗)、防御率3.12をマークした28歳。来オフはレンジャーズのダルビッシュ有投手やカブスのジェイク・アリエッタ投手らエース級もFAとなるが、右腕が来季も好成績を収めてオプトアウトの権利を行使すれば、さらなる好条件を得られる可能性は十分にある。名門はその際にどの程度の資金を注ぎ込むのか。米国内では流出阻止へ、ヤンキースの対応を求める声が上がり始めている。

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