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プロ野球

同一年度にFAで投手を2名補強した前例は?


◆ 同一年度に投手2名の補強は2例目

 DeNAからFA宣言した山口俊、ソフトバンクからFA宣言した森福允彦の両名が巨人への入団を決めた。FA宣言選手の歴史を紐解くと同一年度に2名の投手が同一球団へ移籍したケースは今回で2例目となる。

 前回は今から11年前となる2005年オフに野口茂樹(当時中日)、豊田清(当時西武)の2名が今回と同じく巨人へFAによって移籍を果たした。

◆ 野口、豊田の2名の移籍1年目は?

 移籍1年目となった06年の野口はFAで加入したにも関わらず開幕ローテーション争いに敗れ二軍スタート。5月に昇格し先発登板したものの3回5失点(自責3)でKO。このシーズン二軍では10試合に登板し3勝2敗、防御率2.67と好成績を残していたが一軍登板はなかった。

 豊田は開幕からクローザーとして起用されるがセーブ失敗を繰り返す。その後、故障もあり二軍落ちとなり一軍復帰後は抑えではなく中継ぎとして起用されている。

 FA移籍1年目に野口、豊田の両名が巨人で残した成績は期待に応えたとは言い難い。結果的にこのシーズン巨人は補強失敗も響き球団史上初の2年連続Bクラスに終わったのだ。

<2006年成績>
野口茂樹
1試 0勝0敗 防9.00

豊田清
38試 1勝4敗13S7H 防3.32

◆ 野口、豊田の2年目以降

 FAに限らず補強は1年だけで結果を見るものではない。2年目以降、優勝に貢献をすれば成功ともいえる。

 野口は移籍2年目となる07年に先発ではなく中継ぎとして開幕一軍入りを果たし31試合に登板。1勝1敗4H、防御率4.30の成績を残した。翌08年は一軍登板がなく、同年に戦力外通告を受けている。

 豊田は07年以降クローザー、中継ぎとして2009年まで3年連続45試合に登板している。09年には46試合に登板し防御率1.99と日本一にも貢献した。しかし、翌10年精彩を欠きオフに戦力外通告を受け広島へ移籍となっている。

 今オフに巨人入りする山口、森福は奇しくも2006年と同じく先発、リリーフの役割が期待されている。新天地で活躍することができるだろうか…。