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剛腕代理人が大谷を絶賛も…新労使協定は“足かせ”「境界線が引かれている」


来オフにもメジャーリーグ挑戦に踏み切ると見られている日本ハムの大谷翔平投手について、多くの大物選手を抱える剛腕代理人が「世界最高峰のアスリート」「一流の存在」と絶賛したと米メディアが伝えている。

■大物メジャーリーガー抱えるボラス氏、大谷を「一流の存在」と絶賛も…

 来オフにもメジャーリーグ挑戦に踏み切ると見られている日本ハムの大谷翔平投手について、多くの大物選手を抱える剛腕代理人が「世界最高峰のアスリート」「一流の存在」と絶賛したと米メディアが伝えている。一方で、新労使協定では、二刀流右腕が大型契約を結べない可能性が浮上していることについては「とても難しい状況だ」とも指摘。メジャーリーグ機構(MLB)に対して、不満を訴えている。

 米紙「ワシントン・ポスト」によると、メリーランド州ナショナルハーバーで開催中のウインターミーティングで取材に応じた代理人のスコット・ボラス氏が、大谷について見解を明かしたという。

 ボラス氏は業界屈指の剛腕として知られている。たとえ強引な手法を使っても、選手にとって好条件の契約を球団から引き出すことから「吸血鬼」の異名を持ち、現在のメジャーリーガーではマックス・シャーザー(ナショナルズ)、ジャコビー・エルズベリー(ヤンキース)、秋信守(レンジャーズ)らの大型契約を勝ち取った。今後は、18年オフにFAとなるブライス・ハーパー(ナショナルズ)がボラス氏の手によって天文学的な契約を結ぶ可能性もあるとして、注目が集まっている。大谷のメジャー挑戦が正式に決まれば、代理人として名乗りを上げる可能性は十分にある。

 ボラス氏はこの日、米メディアの取材に対して「(大谷は)MLBのチームに際立ったインパクトを与えられる一流の存在だ」と言及。これまで数々のスーパースターを顧客として抱えてきた剛腕代理人から見ても、二刀流右腕は「一流」との評価だという。

■新労使協定に不満、「世界最高峰の選手たちがプレーすることを許してはいない」

 日本ハムは5日の契約更改の席で、大谷に来オフ以降のポスティングシステム(入札制度)でのメジャー挑戦を容認する意向を伝えた。ただ、ここにきて大きな問題が浮上している。選手会とMLBの間で成立したばかりの新労使協定では、大谷のメジャーでの契約が制限される可能性が出てきたのだ。

 新労使協定では、「インターナショナル・ボーナス・プール」というルールの対象選手の年齢が、22歳以下から24歳以下に引き上げられた。さらに、ボーナス・プールの上限は500万ドル(約5億7000万円)に。他球団とのトレード等で金額枠が動かせるが、上積みできても最大で100万ドル(約1億1000万円)になるという。今年7月5日に22歳となったばかりの大谷が対象となるならば、25歳を迎える2019年までは大型契約は結べないことになる。

 渡米時は、総額3億ドル(約340億円)の超大型契約となる可能性も伝えられていただけに、米メディアも影響の大きさを指摘。大谷が25歳となる2019年まで、メジャー挑戦に踏み切らないのではないかと懸念する声もあった。日本国内では、日本人選手にこのルールは適用されないとする報道もあったが、米メディアはウインターミーティングで大谷も例外ではないことを確認。改めて波紋が広がっている。

「ワシントン・ポスト」は「25歳ルールのため、『日本のベーブ・ルース』とも形容される二刀流のスーパースター、ショウヘイ・オオタニは早くても2019年まではMLBにやってこないだろう。日本ハムファイターズが2017年オフにポスティングを考えていると表明していたとしてもだ。球界関係者は、オオタニが2億ドル(約227億円)規模、もしくはそれ以上の契約をオープンマーケットで得るだろうとしている」と指摘。その上で、ボラス氏が以下のように話したことを紹介している。

「とても難しい状況だ。世界最高峰のアスリートが我々の世界にやってくるということに対して、境界線がひかれている。世界最高峰の選手たちがこの地でプレーすることを許してはいない」

 剛腕代理人が、若手有望株にとって“足かせ”となる新労使協定の「欠陥」について吠えた形だ。早くもメジャーで話題の中心となっている大谷。どのような形で渡米することになるのだろうか。

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