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V逸で厳冬更改のホークス、厳しい査定続くも大幅アップ勝ち取った選手は?


今季3年連続の日本一を目指しながら、大逆転でのV逸を喫したソフトバンクにも厳しい冬の風が吹き抜けている。12月に入ってスタートした主力組の契約更改。83勝と優勝してもおかしくない成績を挙げながらもV逸した影響からか、多くの選手にダウン提示がなされ、厳冬更改の様相を呈している。

■大逆転でV逸のホークス、選手に厳しい冬の風

 寒さが厳しくなり、すっかり冬模様となってきた12月。今季3年連続の日本一を目指しながら、大逆転でのV逸を喫したソフトバンクにも厳しい冬の風が吹き抜けている。

 12月に入ってスタートした主力組の契約更改。83勝と優勝してもおかしくない成績を挙げながらもV逸した影響からか、多くの選手にダウン提示がなされ、厳冬更改の様相を呈している。

 ここまで、契約更改交渉を行った主な選手たちをまとめてみよう。(7日終了時点)

〇大隣憲司投手 6800万円→5500万円(1300万減)

 ここまでで最も大きくダウンしたのが大隣。昨年8月に受けた左肘手術の影響が残り、状態がなかなか上がらなかった。シーズン中には肋間神経痛などもあり、1軍ではわずか1試合登板(1勝)に。大幅ダウンもやむなしといった内容だった。

〇飯田優也投手 2500万円→2100万円(400万減)

 主力組の交渉がスタートした初日に、2人目でいきなりの保留者となった。今季は中継ぎとして30試合に登板。1勝4ホールド、防御率3.29と昨季とほぼ同等の成績だったが、シーズン中に2度の降格があった点がマイナスに。7日に行った2度目の交渉で同額でサインした。

■川島らも悔しい減額に

〇嘉弥真新也投手 2600万円→2100万円(500万減)
〇山田大樹投手 1700万円→1400万円(300万減)
〇二保旭投手 3000万円→2250万円(750万減)

 このほかにも投手陣では嘉弥真、山田の左腕2人も、厳しい提示を受けた。嘉弥真は今季1軍でわずか5試合登板。山田は13年以来となる1軍での白星をつかんだが、この1勝止まりに終わった。嘉弥真はウエスタン・リーグのセーブ王、山田は同リーグの最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝いたが、減額となった。一方、昨季中継ぎで44試合に登板し、6勝を挙げた二保は4月に右肘の側副靭帯再建手術を受け、リハビリ生活を余儀なくされた。昨オフの更改では2250万円アップを勝ち取ったが、今年は減額となった。

〇牧原大成内野手 1300万円→1300万円(現状維持)
〇川島慶三内野手 4000万円→3500万円(500万減)
〇高田知季内野手 2400万円→2000(400万減)
〇塚田正義外野手 1200万円→1100万円(100万減)

 野手陣では打撃主要部門でキャリアハイの成績を残した牧原が何とか現状維持。シーズン序盤にクロスプレーで負傷した川島は、7月下旬の復帰以降も状態が上がらず、悔しい減額に。高田は開幕から1軍に登録されていたが、2軍に降格した7月に左肩を脱臼。シーズン後半を棒に振り、20%近いダウン。ウエスタン・リーグの最多安打記録を更新した塚田も、1軍で結果が出ておらず、100万ダウンとなった。

 一方で、増額を勝ち取っているのは、現時点ではこの面々になる。

■今季最も成長した2人は大幅アップ

〇岡本健投手 1000万円→1300万円(300万増)

 今季はプロ入り後初めて、シーズンの大部分を1軍で過ごした。登板数は13試合と多くなかったが、初めて1軍の戦力となったということでアップとなった。

〇岩嵜翔投手 4000万円→6200万円(2200万増)
〇東浜巨投手 1800万円→3600万円(1800万増)

 厳しい風が吹く中で、大幅増を勝ち取ったのが、岩嵜と東浜の2人。開幕は2軍スタートだった岩嵜は5月8日に昇格すると、先発で7試合、救援で28試合に登板。4勝2敗9ホールドをマークした。シーズン終盤には、サファテにつなぐセットアッパーの座を任されるなど、先発、中継ぎの両面で奮闘した。

 東浜はローテの一角としてシーズンを戦い、自己最多となる9勝を挙げた。終盤は中継ぎに配置転換され、ロングリリーフなどもこなした。岩嵜、東浜は今季、最も成長した2人。文句なしのアップだろう。

■3年連続50登板以上の森は1700万円増

〇甲斐拓也捕手 600万円→900万円(300万増)
〇城所龍磨外野手 2000万円→4000万円(2000万増)
〇森唯斗投手 7000万円→8700万円(1700万増)

 拓也(来季からは登録名を甲斐拓也に変更)は今季、自身最多となる13試合に出場。約3か月半、1軍に登録され、プロ初安打を放つなど、徐々に頭角を現してきている。来季への期待値を込めての300万アップとなった。城所はMVPを獲得した交流戦など、前半戦の働きが高く評価された。国内FA権を取得したが、行使せずにソフトバンク残留を決めたことも考慮され、倍増となった。一方、森は3年連続の50登板以上が評価されてのアップとなった。

〇鶴岡慎也捕手 7600万円→7600万円(複数年契約中につき現状維持)
〇吉村裕基外野手 5000万円→5000万円(複数年契約中につき現状維持)
〇和田毅投手 4億円→4億円(複数年契約中につき現状維持)

 鶴岡はFA権を行使し、ソフトバンクに入団した際に4年契約を結んでおり、来季はその4年目となる。また2年契約の最終年を迎える吉村、4年契約の2年目を迎える和田も現状維持でサインとなった。

 今季のソフトバンクは、1軍で結果を残してナンボの姿勢が見て取れる。まさに、信賞必罰と言えるだろう。今後、中心選手の契約更改も行われるが、その多くが複数年契約中。複数年ではないのは武田翔太、千賀滉大、森唯斗、今宮健太、中村晃、柳田悠岐といったところか。主力中の主力に、いかなる提示が待っているのだろうか。(※金額は推定)

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