BASEBALL GATE

侍ジャパン

オリックス、目立った補強なしも…“武者修行組”の若手が存在感


◆ 完全最下位のオリ、補強が進まず…

 今季は、オープン戦、交流戦、シーズン、ウエスタンでいずれも最下位に終わったオリックス。

 さらに今オフ、ライトのレギュラーだった糸井嘉男が阪神へFA移籍。上位進出に向けて選手の補強を進めたいところだが、獲得したのは前マリナーズの外野手ロメロ、新潟アルビレックスの内野手ジョージの2人のみ。ジョージは育成契約のため、補強は実質、外国人1人という状況だ。さらにFA宣言をした陽岱鋼の獲得も失敗に終わった。

 中島宏之、ブランコ、バリントン、小谷野栄一などを獲得した14年オフ、コーディエ、モレル、ボグセビックと外国人を積極的に獲得した15年オフに比べると、比較的静かなストーブリーグとなっている。

◆ 若手が国際舞台で躍動

 補強は思うように進んでいない印象だが、第1回WBSC23Uワールドカップやウインターリーグに参加している若手選手が来季に向けて、アピールを続けている。

 U23ワールドカップの侍ジャパンに選出された外野手の武田健吾は、同大会・全9試合に先発出場し、打率.405(37-15)、1本塁打、9打点の活躍を見せ、日本の初優勝に貢献。自身も大会ベストナインに選ばれた。今季10試合に出場して打率.100に終わったが、国際大会で得た経験を自信に変え、飛躍してもらいたいところだ。

 ルーキーイヤーの今季、ケガによる離脱期間がありながら10本のアーチを描き、存在感を示した吉田正尚は、2016アジアウインターベースボールリーグ(AWB)に参戦中。6日終了時点で大会トップの打率.545をマークする。来季は主軸としてシーズンを通して活躍してもらいたい選手の1人だ。

 そのAWBでは6日の試合で、宗佑磨、大城滉二が二遊間でコンビを組み、存在感を示した。

 投手陣では、U23ワールドカップ、AWBの両方に参加した青山大紀が、来季の先発ローテ入りを目指してアピールを続けている。U23ワールドカップでは2試合に先発して、1勝0敗、防御率1.38を記録した。

 AWBでは、先発した12月6日のCPBL戦で、ランナーを許しながらも6回を無失点に抑え、「調子が良くないなか、ストライクゾーンで勝負できた」ことに手ごたえを感じている様子だった。U23ワールドカップから結果を残し続けており、充実した時間を過ごしている。

 上位進出に向け、当然補強も必要だが、チーム力を上げていく上で若手の台頭は不可欠。国際舞台で腕を磨く若手の活躍に期待したいところだ。