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SB大隣が大幅減でサイン 「何も仕事ができてない。来季が最後の気持ちで」


5日、ソフトバンクの契約更改で大隣憲司が1300万円減の推定年俸5500万円でサインした。

■今季わずか1試合登板で1勝、1300万円減の5500万円でサイン

 5日、ソフトバンクの契約更改で大隣憲司が1300万円減の推定年俸5500万円でサインした。

 昨年8月に左肘の手術を受けた大隣は、春季キャンプ終盤から状態を落として開幕1軍を逃した。2軍戦で登板しながら調整し、7月10日の楽天戦で今季1軍公式戦初登板。6回を投げて白星をつかむも、その後も筑後のファーム施設に通う日々が続き、結局1試合のみの登板に終わった。

「1勝したといっても、その1日しか上にいなかった。自分の中では何も仕事ができてないが、サインしたので、また来年しっかりやろうという気持ち」

 難病を克服して、チームの日本一に貢献したのが2年前。シーズン終盤の日本ハムとの優勝争いを見ていても「楽しくも何ともない。ああいう場所で投げてこそプロ野球選手」と悔しさを噛み締めた。

■「自分の力で開幕ローテを勝ち取れるように」

「筑後に通う日が多かったのは悔しかったが、もう一度、自分を見直すこともできた。来季が最後という気持ちでやりたい。若手に負けるつもりはないし、勝てると思っている。今年1年は肘の状態など波が多かったが、肘の方も馴染んでくれているので、いい状態で自主トレ、キャンプを迎えられると思う」

 自主トレは、東浜巨、島袋洋奨とともに沖縄で行う予定。これまでの自主トレにはないトレーニングメニューも積極的に取り入れるつもりだという。

「(東浜とは)左右の違いはあるが、(先発ローテを)争える人が近くにいるのはいいと思うし、これから先の野球人生を考えると、中継ぎ左腕の島袋がライバルではないということもない。いい意味でみんなが競い合えればと思う」

 慢性的な先発左腕不足に悩むチームにとって、経験豊富な大隣の復活は来季のカギを握ると言ってもいい。「自分の力で開幕ローテを勝ち取れるようにやっていく」と力強く語った左腕が、再び1軍のマウンドで輝くことを多くのファンが望んでいる。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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