BASEBALL GATE

侍ジャパン

再結成に期待の“懐かしのバッテリー”

◆ 期待される“再結成”

 今シーズンのオールスターゲームで、高校野球ファンが歓喜した“あるシーン”があった。

 7月16日、横浜スタジアムで行われたオールスターゲームの第2戦。9回表のオールセントラルのマウンドに登ったのは、地元DeNAの山崎康晃。球場全体が大歓声に包まれた中、マウンドの右腕に歩み寄る捕手は阪神の原口文仁であった。

 実はこの2人、帝京高で共に戦ったバッテリー。原口が1学年先輩で、2009年の夏の甲子園でバッテリーも組んだ間柄だったのだ。

 いつも楽しそうな山崎康晃が、よりたのしそうにしていたのが印象的だった。

 また、他にも侍ジャパンでは野村祐輔(広島)と小林誠司(巨人)の有名な広陵バッテリーが実現。このように学生時代のバッテリーが時を経てプロの世界で再会するというのが2度も見られたシーズンであった。

 さて、今年のドラフト入団組でいうと、オリックス8位の沢田圭佑がかつて西武の森友哉と大阪桐蔭高時代にバッテリーを組んでいたのが有名なところだが、他にはどのような例があるだろうか。

◆ 横高バッテリーの復活は難しいか…

 今年のドラフトで中日から1位指名を受けたのが、明治大の柳裕也だ。横浜高時代には1年生の時からベンチ入りを果たし、試合でも登板していた。

 その当時、横高で扇の要を担っていたのは、1学年上にあたる近藤健介だった。近藤は日本ハムの所属であり、リーグが異なってしまうためバッテリーの再結成となると侍ジャパンくらいしか可能性がないが、そもそも近藤は今年1試合しか捕手としての出場がなかった。横高バッテリーの復活には様々な障壁がありそうだ。

◆ 中大バッテリーに注目

 オリックスにドラフト7位で指名されたHonda鈴鹿の飯田大祐は、26歳の捕手。中央大学時代には、現ソフトバンクの島袋洋奨とバッテリーを組んだことがある。

 飯田のほうが2学年先輩にあたり、3年の時に島袋が甲子園優勝投手という看板を背負って入部してきた。島袋の大学デビュー戦でマスクを被ったのも、この飯田である。

 オリックスとソフトバンクという一軍も二軍も同一リーグとなったこの2人には注目だ。

◆ 同じチームになったかつてのコンビ

 最後はオリックスに育成5位で指名された中道勝士。明治大出身の捕手は、智弁学園高時代に青山大紀とバッテリーを組んでいた。

 青山は高校卒業後に社会人・トヨタ自動車へと進み、2015年のドラフト4位でオリックスに入団。今シーズンは一軍デビューも果たし、フォームやアンダーシャツの袖などから“金子千尋2世”としても注目を浴びた。

 このオフもU-23・W杯では世界一メンバーの一人となり、現在は台湾で開催中のウインターリーグにも参戦中。来季以降の飛躍が期待される注目右腕である。

 中道はまず支配下登録を勝ち取り、そして一軍の舞台でバッテリーの再結成を実現させたいところ。オリックスの智弁学園コンビのこれからにも期待したい。