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韓国出身の大投手が“不名誉ランキング”に選出 MLBの「最悪なFA契約」で3位


5日(日本時間6日)にウインターミーティングが開幕し、ストーブリーグが本格化するメジャーリーグ。今オフは先発投手こそ“不作”であるものの、野手や救援投手は豊富で、大物選手の去就に注目が集まっている。FA選手ランキングで1位と評価されることの多かったヨエニス・セスペデス外野手は先日、4年総額1億1000万ドル(約150億円)でメッツと再契約。ここから市場が活性化していくことが予想される。

■米メディアが「MLB史における13のワーストFA契約」を特集

 5日(日本時間6日)にウインターミーティングが開幕し、ストーブリーグが本格化するメジャーリーグ。今オフは先発投手こそ“不作”であるものの、野手や救援投手は豊富で、大物選手の去就に注目が集まっている。FA選手ランキングで1位と評価されることの多かったヨエニス・セスペデス外野手は先日、4年総額1億1000万ドル(約150億円)でメッツと再契約。ここから市場が活性化していくことが予想される。

 他にも、エドウィン・エンカーナシオン内野手、ホセ・バティスタ外野手(いずれもブルージェイズからFA)、デクスター・ファウラー外野手(カブスからFA)といった強打者に加え、アロルディス・チャップマン(カブスからFA)、ケンリー・ジャンセン(ナショナルズからFA))、マーク・メランソン(ナショナルズからFA)といったクローザーがどのチームと、どんな条件で契約するかも興味深いところだ。

 ただ、過去にはFAで大型の契約を結びながら、新天地で全く活躍できなかった例もある。米FOXスポーツは「MLB史における、13のワーストFA契約」と題した特集記事を掲載。韓国人メジャーリーガーのパイオニア的存在として偉大な実績を残した朴賛浩投手が、この不名誉なランキングで3位に入っている。

 特集では、はじめに「フリーエージェントでは金が飛び交い、チームが来季訪れる危機を脱するために優秀な選手を求めている」と言及。大金をはたいて獲得するFA選手には当然、大きな期待が寄せられる。ただ、その期待を裏切る結果になれば、痛烈な批判を浴びせられることもある。「球界史における最悪なFA契約。これはフリーエージェントにまつわる訓戒的な物語である」として、過去の「ワースト契約」を振り返っている。

■ア・リーグ移籍後に「成績下落」の朴賛浩、メジャー史の「13のワーストFA契約」は?

 3位に選出されてしまった朴賛浩は、韓国の大学を中退して渡米し、94年にドジャースに入団した。マイナーから昇格を勝ち取り、3年目の96年にメジャーに定着。97年からは先発ローテーションに入り、5年連続で29試合以上先発、13勝以上と安定した成績をマークした。00年には18勝(10敗)を挙げ、01年にはリーグ最多の35試合に先発して15勝11敗、防御率3.50。9年間で通算275試合に登板し、84勝58敗、防御率3.77と素晴らしい成績を残して、FAとなった。

 そして、5年総額650万ドル(約73億8000万円)という好条件でレンジャーズと契約したが、その後は負傷も重なり成績が急下降。記事では、「ナショナルリーグの打者を相手に、ドジャースでは181試合に先発し、優秀な成績を収めた」と評価しながら、レンジャーズ移籍後については「アーリントンではアメリカンリーグの打者を相手にしたが、成績は下降した」と振り返っている。「2005年にサンディエゴにトレードされるまで、レンジャーズで朴は68試合に先発し、防御率5.79を記録した」。大型契約の期待に応えることはできなかった。

 朴賛浩はその後、メッツ、ドジャース、フィリーズ、ヤンキース、パイレーツと渡り歩き、主に中継ぎを務めた。ドジャースに復帰した08年は地区優勝に貢献したものの、結局、完全復活はならず。最終的にメジャー通算476試合登板で124勝98敗、防御率4.36という立派な成績を残し、NPBのオリックス、KBOのハンファと渡り歩いて12年限りで現役を引退した。韓国人プレーヤーとしてメジャーに歴史を刻んだ偉大なプレーヤーだが、FA契約では不名誉なランキング入りとなってしまった。

 記事でワースト13に選出されたFA契約は以下の通りとなっている。(金額は現在のレートで換算)

13位 デニー・ニーグル(ロッキーズ)
2000年 5年総額5100万ドル(約58億円)

12位 ブルース・スーター(ブレーブス)
1984年 6年総額1000万ドル(約13億5000万円)

11位 メルビン(B・J)・アップトン(ブレーブス)
2012年 5年総額7200万ドル(約81億7000万円)

10位 モー・ボーン(エンゼルス)
1998年 6年総額8000万ドル(約91億円)

9位 ゲイリー・マシューズ・ジュニア(エンゼルス)
2006年 5年総額5000万ドル(約56億7500万円)

8位 ジェイソン・ベイ(メッツ)
2009年 4年総額6600万ドル(約75億円)

7位 フアン・ピエール(ドジャース)
2006年 5年総額4400万ドル(約50億円)

6位 カール・パバーノ(ヤンキース)
2004年 4年総額3900万ドル(約44億3000万円)

5位 ショーン・フィギンズ(マリナーズ)
2009年 4年総額3600万ドル(約41億円)

4位 ジェイソン・シュミット(ドジャース)
2007年 3年総額4700万ドル(約53億3000万円)

3位 朴賛浩(レンジャーズ)
2002年 5年総額6500万ドル(約73億8000万円)

2位 マイク・ハンプトン(ロッキーズ)
2000年 8年総額1億2100万ドル(約137億3000万円)

1位 ジョシュ・ハミルトン(エンゼルス)
2012年 5年総額1億2500万ドル(約142億円)

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