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注目の巨人のプロテクト 前回の人的補償から見るポイントは?

DeNAからFA宣言した山口俊投手の巨人入団の正式発表が秒読み段階に入ってきた。すでにDeNAは人的補償を検討しており、誰が移籍するのか、動向が注目されている。

■山口俊が巨人移籍へ、注目される補償の動向

 DeNAからFA宣言した山口俊投手の巨人入団の正式発表が秒読み段階に入ってきた。山口俊は年俸8000万円。Bランクになるため補償が必要となる。すでにDeNAは人的補償を検討しており、誰が移籍するのか、動向が注目されている。

 直近のドラフトで獲得した新人選手、外国人選手を除く支配下選手28人を巨人はプロテクトできる。その名簿から外れた選手でDeNAは戦力を見極める。経験のある選手が選ばれる可能性は十分にある。

 巨人は2年連続で優勝を逃したため、来季のV奪回に向けて、戦力強化を進めている。その大きなものとなったのが大田、公文と吉川、石川の2対2の交換トレード。必然的にこの2人をプロテクトしなくてはならない。また、山口俊が抜けた穴を埋めるため、DeNAは投手を狙ってくると見られ、投手を多めにプロテクトにかけるだろう。そうなれば有能な野手も移籍候補になってしまう。戦力豊富な巨人にあって、28人を守るのは難しい。

 さらにポイントになってくるのは若手のプロテクトにある。巨人は2014年オフ、ヤクルトから相川亮二捕手をFAで獲得。その時、高卒2年目の奥村展征内野手がヤクルトに移籍し、話題を呼んだ。守るべき1軍選手が多く、入団2年目以内の将来有望な高卒選手を守れなかったという事実が残った。

■捕手が成長したDeNA、情報戦、駆け引きにも注目

 入団が間もない選手の移籍は、今後のドラフト戦線で送り出す側に良い印象を持たれないだろう。世代交代を進めていく巨人にとって、その点のイメージは大事になる。そのため、一昨年までのドラフトで支配下指名で入団した選手、今年の新人選手はプロテクトされることが予想される。

 また、DeNAの戦力分析をすると、戸柱、嶺井、高城ら捕手が成長。特にルーキーの戸柱はレギュラーを獲得し、来季の飛躍が期待されている。そのため捕手は狙ってこないと考えられる。ここ2年で入団した捕手もいるが、この捕手のプロテクト、2年目以内の選手に対する考えが、今回の人的補償のポイントとなりそうだ。

 2014年の時のヤクルトも外野手や投手を希望するという情報戦の結果、奥村という有望な内野手を選択した。これからか始まるお互いの駆け引きにも注目が集まる。(※金額は推定)

 巨人の2016、2015年支配下ドラフトで入団した選手は以下の通り。

〇2015年
1位 桜井俊貴投手 立命館大
2位 重信慎之介外野手 早大
3位 與那原大剛投手 普天間高
4位 宇佐見真吾捕手 城西国際大
5位 山本泰寛内野手 慶大
6位 巽大介投手 岩倉
7位 中川皓太投手 東海大
8位 松崎啄也捕手 日本製紙石巻

2014年
1位 岡本和真内野手 智弁学園
2位 戸根千明投手 日本大学
3位 高木勇人投手 三菱重工名古屋
4位 田中大輝投手 国学院大(現在育成契約)

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