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ホークス森福がG移籍決断「挑戦したい」 涙こらえ「ファンが支えてくれた」


ソフトバンクの森福允彦投手が1日、ヤフオクドームを訪れ、球団に巨人へのFA移籍を決断したことを報告した。

■球団に“最後の挨拶”、「成長させてくれたことに感謝」

 ソフトバンクの森福允彦投手が1日、ヤフオクドームを訪れ、球団に巨人へのFA移籍を決断したことを報告した。

 成長よりも挑戦――。それが中継ぎ左腕の決断だった。森福はスーツ姿で球団事務所を訪れ、巨人へのFA移籍を決めたことを報告。残留を強く呼びかけていたソフトバンクに対して断りを入れた。

「(巨人との交渉で)必要とされていることが伝わってきたし、FA宣言して最初に声をかけていただいた。ホークスに残っても成長できると思うが、新たな挑戦をしたいという気持ち」

 挨拶後に急遽行われた囲み会見では、目に涙を溜めながらホークスへの感謝の気持ちを語った。

「ホークスでやってきた10年間、いろんな思いがある。こんなボクをここまで成長させてくれたことに感謝したい。その間にクビを覚悟した時もあった。周りに恵まれてここまで来れたと思う。一番は家族だが、球場ではファンが支えてくれた。本当はファンのみなさんの前で(移籍のことを)言いたかったが、本当に『ありがとうございました』という気持ち」

■誰よりもファンを愛した左腕、伝説となった「森福の11球」

 森福ほどファンを大事にする選手はいない。キャンプ地でも球場でもファンに丁寧に応対し、サインを書き続けてきた。11月23日に行われたファンフェスティバルにも、揺れる気持ちを抱きながら参加して、ハイタッチやサイン会で多くのファンと触れ合った。

 この日も球場を出る際に、長い時間待ち受けていたファン一人ひとりにサインをし、記念撮影に収まった。「1歳の頃から応援し続けている」という6歳の少女には、最後に車に積んでいた自分のユニフォームを手渡した。

「違う場所になるが同じ野球。グラウンドで輝いている姿を見ていただけたらと思う」

 伝説となった2011年日本シリーズでの「森福の11球」など、幾多のピンチを救ってきた左腕は、小さなファンの「ありがとう」の言葉に見送られてヤフオクドームを去っていった。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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