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プロ野球

阪神・糸井、両リーグで達成が期待される記録とは…


◆ 糸井がオリから阪神へFA移籍

 今季のパ・リーグ盗塁王に輝いた糸井嘉男(35)が今オフ、オリックスからFA宣言して阪神へ移籍。戦いの舞台をセ・リーグに移す。

 盗塁王以外にも、首位打者に3度の最高出塁率と、数々のタイトルを獲得してきた糸井だが、故障や不振の影響により、09年から続いていた連続打率3割の記録は2014年で途切れた。

 しかし、悔しい1年に終わった2015年から一転、今季はリーグ4位の打率.306を記録。走っても史上最年長で盗塁王に輝くなど、文字通り躍動した。

 当然ながら今シーズンのような活躍を披露できれば、限られた人たちしか達成できていない“両リーグでの同一タイトル獲得”という快挙も現実味を帯びてくる。35歳となった今季、まだまだタイトルを争えることを証明した“超人”の新たな挑戦に期待したい。

【糸井の個人タイトル】
<首位打者>
14年:.331(オリックス)
<最高出塁率>
11年:.411(日本ハム)
12年:.404(日本ハム)
14年:.424(オリックス)
<盗塁王>
16年:53盗塁(オリックス)

◆ セ・パ両リーグで首位打者は過去2人

 ちなみに、セ・パ両リーグで首位打者を獲得した選手は、過去に江藤慎一と内川聖一の2人だけ。江藤はセ・リーグでは中日時代の64年と65年、パ・リーグではロッテ時代の71年に首位打者に輝いた。

 内川もシーズンの右打者最高記録となる.378を記録した横浜時代の08年、パのソフトバンクへ移籍してからは1年目の11年に首位打者を獲得している。糸井が移籍した阪神で首位打者となれば、内川以来3人目の快挙となる。

【セ・パ両リーグで首位打者】
江藤慎一
<パ・リーグ>
71年:打率.337(ロッテ)
<セ・リーグ>
64年:打率.323(中日)
65年:打率.336(中日)

内川聖一
<パ・リーグ>
11年:打率.338(ソフトバンク)
<セ・リーグ>
08年:打率.378(横浜)

◆ 両リーグで最高出塁率はわずかに1人

 続いて最高出塁率を見ると、落合博満がパ・リーグ時代にロッテ(82年、85年、86年)、セ・リーグ時代の中日(87年、88年、90年、91年)で受賞している。糸井がセ・リーグでも最高出塁率のタイトルを獲得できれば、落合に次ぐ2人目となる。

【セ・パ両リーグで最高出塁率】
落合博満
<パ・リーグ>
82年:出塁率.428(ロッテ)
85年:出塁率.481(ロッテ)
86年:出塁率.487(ロッテ)
<セ・リーグ>
87年:出塁率.435(中日)
88年:出塁率.418(中日)
90年:出塁率.416(中日)
91年:出塁率.473(中日)

◆ 両リーグでの2年連続盗塁王は史上初

 最後に糸井が今季、史上最年長で獲得した盗塁王のタイトルを両リーグで受賞しているのは河野旭輝のみ。河野はパ・リーグ時代の阪急で2度(56年、57年)、セ・リーグ時代の中日で1度(62年)、盗塁王に輝いた。当然、両リーグを跨いで2年連続で盗塁王になった選手は一人もいない。

【セ・パ両リーグで盗塁王】
河野旭輝
<パ・リーグ>
56年:85盗塁(阪急)
57年:56盗塁(阪急)
<セ・リーグ>
62年:26盗塁(中日)