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プロ野球

“黄金の三遊間” 松田宣浩&今宮健太の偉業


◆ 鷹の三遊間による史上初の偉業

 29日、都内で行われた「第45回 三井ゴールデングラブ賞」の表彰式。糸井嘉男と鈴木誠也という超人と神ってる男の“共鳴”が大きな話題となったが、実はあの18人の中に史上初の偉業を成し遂げたコンビがいたことはあまり知られていない。

 パ・リーグの三塁手部門で受賞した松田宣浩と、遊撃手部門で受賞した今宮健太。この2人は今年で4年連続の同時受賞となり、三遊間では両リーグ通じて初めての快挙だったのだ。

◆ “黄金の○○間”、過去には…?

 同チームのコンビによる同時受賞。三遊間では2000年から2002年の岩村明憲&宮本慎也(ヤクルト)による3年連続が最高であった。

 松田と今宮が揃ってゴールデングラブ賞に輝く間、チームは日本一に輝くこと2回、2位が1回。この“黄金の三遊間”がソフトバンクの黄金期を支えていると言っても過言ではない。

 鷹の三遊間はどこまでこの記録を伸ばせるのか。来季以降のたのしみのひとつとなるが、ではそんな2人が目指すべき目標はどこになるのか。今回は他のポジションで4年以上の連続同時受賞を達成したコンビを調べてみた。

◆ 見る者を魅了した“アライバコンビ”

 「黄金の○○間」、「○○コンビ」と聞いて、まずこの2人を浮かべるという人は多いのではないか。中日を支えた荒木雅博&井端弘和による二遊間だ。

 両者は2004年から2009年まで、なんと6年連続でゴールデングラブ賞を同時受賞。これは同一コンビによる連続受賞の最長タイ記録である。

 ちなみに、2010年は両者がポジションを入れ替え。荒木は136試合に出場するも、井端はケガや目の不調などにも悩まされ、一軍で出場できたのは53試合だけ。ともにゴールデングラブ賞の投票では3位以内にも入ることが出来ず、コンビとしても個人としても連続受賞が途絶えてしまった。

◆ ミスター・ゴールデングラブ賞

 上記でアライバコンビを“最長タイ”としたように、6年連続の同時受賞を達成したコンビがもう2組ある。そのひとつが、阪急黄金期を支えた福本豊&簑田浩二による外野の黄金コンビである。

 当時はダイヤモンドグラブ賞という名称であったが、福本はこれを1972年から1983年まで実に12年連続で受賞。連続受賞の「12年」と、受賞回数の「12回」はいずれも同賞の最多記録として今なお残っている。

 そんな福本のほかにもバーニー・ウイリアムスや大熊忠義といった高い壁が立ちはだかるチームの外野争いに割って入ったのが簑田。1978年にレギュラーの座を奪うと、そこから8年連続でダイヤモンドグラブ賞を受賞。福本とのコンビはまさに鉄壁を誇った。

 ちなみに福本はずっとセンターを守っていたが、簑田は1978年から80年まではレフトを主に守っており、1981年からライトに回った。厳密に言うと純粋な同一ポジションでの連続受賞というよりは、黄金の左中間と黄金の右中間の合算で6年に達したという形になる。

 また、1988年から1993年まで西武が誇った秋山幸二&平野謙のコンビも、6年連続でゴールデングラブ賞を受賞。この3組が同一コンビによる連続受賞の最長記録となる。

 松田&今宮のコンビは過去の偉人たちに並び、超えていくことができるか。ソフトバンクの三遊間から目が離せない。

 
▼ 過去の“黄金の○○間”
(⇒ 同一コンビで4年以上つづけてゴールデングラブ賞を受賞)

【黄金の二遊間】
☆6年連続(2004~2009)
荒木雅博&井端弘和(中日)

【黄金の右中間】
☆6年連続(1978~1983)
福本豊&簑田浩二(阪急)
※78年~80年までは左中間、81年からは右中間で計6年連続。

☆6年連続(1988~1993)
秋山幸二&平野謙(西武)

☆4年連続(1978~1981)
山本浩二&ライトル(広島)