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3季連続Bクラスの西武 主軸メヒアは活躍も期待外れた外国人投手たち


西武は、今季2年ぶりの負け越し、3年連続Bクラスという不本意な成績に終わった。2014年途中からチームを率いた田辺徳雄監督は退任し、来季から辻発彦監督が指揮を振るう。今季負け越した原因の一つは、軒並み不発に終わった外国人選手だろう。

■唯一の外国人野手メヒアは35本塁打&103打点の活躍も…

 西武は、今季2年ぶりの負け越し、3年連続Bクラスという不本意な成績に終わった。2014年途中からチームを率いた田辺徳雄監督は退任し、来季から辻発彦監督が指揮を振るう。今季負け越した原因の一つは、軒並み不発に終わった外国人選手だろう。

 今季の外国人選手で唯一活躍したのが、3シーズン目のエルネスト・メヒア。来日1年目(2014年)オフの過ごし方を失敗し、激太りと調整不足の影響で出遅れた昨季の反省から、今年はキャンプ初日にきっちりとコンディションを合わせてきた。その甲斐あって、開幕から絶好調。3・4月は自身初の月間MVPを受賞した。その後も、コンスタントに本塁打を量産し続け、最後までタイトル争いを繰り広げた。主砲・中村剛也が故障の影響で精彩を欠いたため、時にはメヒアが4番に座り、最終的にチームトップの35本塁打、103打点の成績を残し、打線を牽引した。

 他の外国人枠はすべて投手で使ったが、残念ながらその多くは戦力にならないままチームを去った。

 ローテーションの一角となるべく期待されたアンディ・バンヘッケンだったが1勝も挙げられず、7月に契約解除となった。その穴を埋めるべく、5月末に獲得したフェリペ・ポーリーノも、加入当初は勝利の可能性を感じさせる投球を見せたが、結果が出ないまま、8月末に2軍調整を命ぜられ、バンヘッケン同様に未勝利のままシーズン終了後に自由契約となった。

 痛恨だったのが、C・C・リーの不発だ。チームが一番の課題としていた抑え、もしくはセットアッパーの本命として鳴り物入りで入団したが、7月末に2軍降格。その後、一度も1軍に戻ることなく、戦力になれずに終わった。

 投手陣で戦力として唯一貢献したのが、7月末に獲得したブライアン・ウルフだった。すでに日本ハム、ソフトバンクで39勝を挙げていた実績は、さすがの一言。持ち前の手元で動くツーシームを武器に4勝を挙げ、来季の契約延長も決まった。

 すでに、チームは来季へ向けて新外国人ブライアン・シュリッター投手との契約を発表している。ここ数年課題とされ続けている中継ぎの救世主となれるか。注目が集まる。

■助っ人7選手の今季成績は?

 以下は西武の助っ人選手の今季の成績。

○アンディ・バンヘッケン
アメリカ合衆国出身。マリナーズ、タイガースを経て、2012年からは韓国ネクセンに移籍。2014年には20勝を挙げて最多勝利投手にも輝くなど、4シーズンで58勝した。西武入りした今季は開幕ローテに入り、揺れて落ちる独特のフォークに期待がかかったが、打線との兼ね合いに恵まれない部分もあり、10試合0勝4敗、防御率6.31だった。

○フェリペ・ポーリーノ
ドミニカ共和国で生まれ、幼少時にベネズエラへ移住。アストロズ、ロッキーズなどでプレーし、今年5月に西武入り。先発も中継ぎも対応可能という触れ込みの中、主に先発として起用され、8試合に先発して0勝6敗、防御率4.70。ラストチャンスとして8月20日ロッテ戦で中継ぎ登板したが、打者5人4安打3失点、1死を奪っただけでKO降板。シーズン終了後に戦力外となった。

○エスメルリング・バスケス
ドミニカ共和国出身。今季は2シーズン目だったが、安定感を欠き、首脳陣の信頼を得ることができなかった。中継ぎとして19試合に登板、6ホールドを挙げるも、防御率5.51と昨季以上の成績を残せなかった。

○C・C・リー
台湾出身。2008年北京五輪のチャイニーズタイペイ代表に選出され、同9月MLBインディアンスとマイナー契約。2013年7月にメジャー初昇格した。MLB通算47試合に登板し、1勝1敗5ホールド、防御率4.50の成績で今季西武入り。増田達至、髙橋朋己とともに「勝利の方程式」結成を期待されたが、18試合に投げて1ホールド、防御率6.48と応えられなかった。

○郭俊麟
台湾出身。来日2年目の成績は12試合に登板(3試合に先発)、0勝3敗、防御率8.46に終わった。他の外国人選手とは違い、「育成」の要素も多分に含まれていたが、昨季を下回る成績に終わったのは計算外だろう。1軍にいたのは開幕から5月上旬までと9月8日に先発した1試合のみと戦力になれなかった。

○ブライアン・ウルフ
アメリカ合衆国出身。2015年シーズン後にソフトバンクを自由契約となって以降、実戦を離れていたが、8月28日の復帰戦で早速勝利。外国人投手の不発が続いているチームの救世主となった。ツーシームを武器に内野ゴロを打たせてアウトを取るスタイルは、西武の投手陣には少なく、各投手にとって刺激になったという意味でも大きな存在となった。

○エルネスト・メヒア
ベネズエラ出身。来日3年目の今季は、自身最多の137試合に出場。クリーンアップに欠かせぬ1人として定着した。本塁打王のタイトルこそ逃したが、35本塁打はリーグ2位。また、リーグ3位の103打点を挙げ、打線の中心としてチームを牽引した。

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