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プロ野球

山口俊の獲得を目指す巨人と中日 両球団の先発事情は…


◆ FA宣言した山口は他球団へ

 DeNAからFA宣言した山口俊が29日、宣言残留を認めていたDeNAに移籍の意向を伝えた。そのため、同選手の獲得に関心を示している巨人か中日への移籍が濃厚になったと見られている。

 山口は今季、規定投球回に到達しなかったものの、チーム最多の11勝を挙げ、防御率は2.86。先発陣の一角として、球団初のクライマックスシリーズ進出に大きく貢献した。当然、計算のたつ先発はどの球団も欲しい人材だ。

◆ 巨人の先発事情は……

 山口の獲得に名乗りを上げている巨人は今季、チームの先発防御率がリーグ2位の3.37を記録。エースの菅野智之は打線の援護に恵まれず9勝に終わったものの、最優秀防御率(2.01)、最多奪三振(189)のタイトルを獲得し、3年目のサウスポー・田口麗斗は、チームトップの10勝をマークした。

 その他、ベテランの内海哲也と大竹寛、故障による出遅れで4勝に終わったマイコラス、若手の高木勇人、今村信貴などが先発を務めたが、シーズンを通してローテーションを守ったのは菅野と田口の2人だけ。1年を通して安定した成績を残せる投手の存在はV奪回に向けて必要不可欠な存在だと言える。

【巨人の主な先発陣】
菅野智之 26試 9勝 6敗 防2.01
田口麗斗 26試 10勝10敗 防2.72
内海哲也 18試 9勝 6敗 防3.94
高木勇人 25試 5勝 9敗 防4.31

◆ 中日の規定投球回到達者は……

 一方、19年ぶりに最下位に沈んだ中日は、チームの先発防御率がリーグ5位の3.95。さらに08年以来となる規定投球回到達者が不在という事態に陥った。

 今季の中日先発投手陣は、13年から3年連続2桁連続勝利中だった大野雄大、3年目の昨季10勝を挙げた若松駿太の“2枚看板”が先発陣を引っ張っていくかと思われた。しかし、大野、若松ともに昨季のような投球を披露することができず、ともに7勝止まり。軸として期待された2人の不振は、大きな誤算だったと言える。

 そんな中、近年故障に泣いていた吉見一起が奮闘。6勝7敗と負け越したが、チーム最多の131回1/3を投げた。ただ、現状はルーキーの小笠原慎之介、ドラフト1位の柳裕也(明治大)といった若手に期待しなければならない。やはり、山口は魅力的な存在だ。

【中日の主な先発】
大野雄大 19試 7勝10敗 防3.54
若松駿太 19試 7勝 8敗 防4.06
吉見一起 21試 6勝 7敗 防3.08
バルデス 20試 6勝 7敗 防3.51

 獲得を目指す巨人と中日。巨人には横浜で2年指揮を執った尾花高夫投手コーチ、横浜で一緒にプレーした村田修一、相川亮二などがおり、中日にもかつてDeNAで投手コーチを務めていた友利結投手コーチ、自主トレを行ったことのある浅尾拓也らがいる。果たして、山口は最終的にどのような決断を下すのか!? その動向に大きな注目が集まっている。