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紅白戦で出現した田中正義、柳裕也の後継 侍ジャパン大学代表エース候補

侍ジャパン大学代表選考合宿参加17投手中最速の149キロをたたき出した名城大2年・栗林 良吏

侍ジャパン大学代表選考合宿参加17投手中最速の149キロをたたき出した名城大2年・栗林 良吏

11月26日から28日まで3日間の日程で愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムにで48選手が参加し行なわれた「侍ジャパン大学代表選考合宿」。来年8月、チャイニーズ・タイペイの台北市で開催される第29回夏季ユニバーシアード野球競技参加選手枠22名を22名をめぐるサバイバルの中、最終日の紅白戦で176センチ72キロの2年生右腕・栗林 良吏(名城大・愛知黎明高卒)が、田中正義(創価大・福岡ソフトバンク1位指名)や柳裕也(明治大・中日1位指名)が背負った侍ジャパン大学代表のエースに名乗りを上げた。

 この栗林、すでに大学野球ファンの間ではその名を知られつつある存在である。愛知大学野球連盟リーグ戦では1年春・2年春と敢闘賞を受賞し、6月に開催された日米大学野球・侍ジャパン大学代表選考合宿では桜美林大・佐々木 千隼(千葉ロッテ1位指名)に次ぐ150キロをマーク。
 
 さらに秋のリーグ戦では最速153キロまで球速を伸ばし、北陸・東海三連盟代表決定戦ではリーグ戦で苦杯を舐めた中京大を下して明治神宮大会に22年ぶり出場。初戦で上武大に敗れたものの、9回135球8安打2失点完投。

 侍ジャパン大学代表・横井 人輝監督いわく「その時の投球を見て、選考合宿に招集することにした」。チャンスを文字通りつかみとって坊っちゃんスタジアムのマウンドに到達した彼は、NPB4球団のスカウト陣が詰めかけた前で、新たな引き出しを披露した。

 しなやかな腕ふりから低めに決まるストレートは最速149キロをはじめ常時140キロ後半、130キロ台のツーシームに120キロ台の縦スライダーも高めに抜けるボールはほとんどなく2イニング打者6人をパーフェクト。「明治神宮大会では制球がバラついていた」(上武大・谷口 英規監督)制球力や、明治神宮大会初球で主審から指摘を受けた2段モーションも完ぺきに改善されていた。ちなみにこの紅白戦、栗林が投じた2イニング25球のうち、ボールはわずか6球である。

 「準備の期間を与えれば、これくらいできることが解った」指揮官も栗林のことを語るときは思わず笑顔。この細身・かつ2年生で底知れぬポテンシャルの一端を示した栗林は、来年3月に30名前後が招集される選考合宿でもさらなる驚きを与えてくれるに違いない。