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今季NPB新人王は誰の手に? セは阪神・高山が1歩リード、パは混戦か


2016年度のプロ野球年間表彰式「NPB AWARDS 2016」が28日、都内のホテルで行われる。当日には両リーグの最優秀選手(MVP)、新人王が発表される予定となっている。

■阪神・高山は球団新人最多136安打を記録、猛打賞13度の安打製造機

 2016年度のプロ野球年間表彰式「NPB AWARDS 2016」が28日、都内のホテルで行われる。当日には両リーグの最優秀選手(MVP)、新人王が発表される予定となっている。

 セ・リーグで新人王の最有力に挙がっているのは阪神・高山俊外野手だ。明大では東京六大学リーグの通算安打記録を更新し、昨年のドラフト会議でヤクルトとの競合の末に阪神入り。今季は「1番・左翼」で開幕スタメンに名を連ね、外野の定位置を奪取した。134試合出場し、打率.275、8本塁打、65打点をマーク。球団の新人最多安打記録となる136安打を放ち、新人猛打賞記録13度は1958年の巨人・長嶋茂雄にあと1度に迫る歴代2位で、その安打製造機ぶりを見せた。プロ1年目ながら、金本知憲監督の掲げる「超変革」の象徴となった。

 初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA・今永昇太投手(ドラフト1位)は、22試合登板で防御率2.93と安定した投球を見せたが、8勝(9敗)と勝ち星が伸びず。ドラフト4位だった戸柱恭孝捕手は、捕手としてチーム最多の110試合に先発出場も、盗塁阻止率2割はリーグ最低で、捕逸はリーグ最多の8と守りに課題を残した。阪神・高山を超える存在はいなそうだ。

■10勝2敗の日本ハム・高梨、プロ1年目で遊撃定着の楽天・茂木

 パ・リーグでは、日本ハム・高梨裕稔投手、楽天のドラフト3位・茂木栄五郎内野手の争いか。今季1軍定着した高梨はシーズン序盤は中継ぎスタートとなったが、6月上旬から先発ローテーション入り。先発転向後は負けなしの8連勝を記録するなど自身初の2桁となる10勝(2敗)を挙げた。防御率2.38も堂々の数字で、チームは4年ぶりリーグ制覇&10年ぶり日本一に輝いた。

 茂木も負けていない。早大からドラフト3位で楽天入り。「6番・遊撃」で開幕スタメンを奪取し、5月下旬から「3番・遊撃」に定着した。6月下旬に右手を負傷して戦列を離れたが、8月から1軍再昇格。8月25日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、新人としては1998年の坪井智哉(阪神)以来となるランニング本塁打を記録。最終的には規定打席にも到達し、117試合出場し、打率.278、7本塁打、40打点をマークした。オリックスの昨年ドラフト1位・吉田正尚外野手は8月から3番に定着し、63試合出場、打率.290、10本塁打、34打点を記録したが、野手ではシーズンを通して活躍した茂木の成績が抜けている。

 2桁勝利を挙げて日本一に貢献した高梨は新人王へ申し分のない成績を残しているが、今季がプロ3年目。投票権のあるプロ野球担当記者がどう判断するかが大きく物を言いそうだ。

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