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プロ野球

新エースへ!開花の気配漂う菊池雄星に期待


◆ 公私とも充実の1年

 プロ野球選手にとって、ひとつのステータスとなるのが「1億円プレーヤー」。このオフにも、新たな選手が1億円の大台到達を果たした。

 西武の左腕・菊池雄星は、ファン感謝イベントが行われた23日に契約を更改。4500万円増の1億円でサインした。(※金額は推定)

 甲子園を沸かせた怪物左腕も、気がつけばプロ7年目…。これまでは度重なる故障に苦しみ、期待に応えられない日々が続いていたが、今シーズンは自身初の2ケタ勝利を記録。チームトップの12勝(7敗)をマークし、プライベートでもフリーアナウンサーの深津瑠美さんと結婚を発表するなど、公私ともに充実したシーズンとなった。

◆ 変わらぬ課題も…

 これまでも大きな期待をかけられながら、その高いポテンシャルを発揮しきれずに過ごしたプロ生活。

 正捕手の炭谷銀仁朗が「1年間ローテを守っていたら、とっくに2ケタ勝っている」と話したことがあったように、何度となくの怪我や不調に苦しめられ、年間を通しての活躍ができなかった。

 殻を破った感のある今年も、6月には故障で一時離脱。“100点満点”と言うにはまだ早い。

 来シーズンからは投手陣の柱として期待される男だ。エースの離脱はチームに大きな影響を及ぼすだけに、仕方がないでは済まされない。そういった部分での“責任感”のようなものが求められる。

◆ 収穫と課題の1年を経て、さらなる飛躍を!

 そんな菊池の闘争心をかき立てるのが、花巻東の“後輩”にあたる大谷翔平(日本ハム)の活躍だ。

 自身にとっての最終戦となった9月28日。ここで菊池と大谷の“先輩・後輩対決”が実現した。

 この試合に中4日で登板した菊池は、6回までをレアードのソロ1本に抑える粘りの投球で自身初の規定投球回に到達。しかし、チームは大谷にまるで歯が立たず、0-1で敗戦。目の前で胴上げを見せつけられた。

 大谷は1安打完封で胴上げ投手に。いくらかわいい後輩だとしても、穏やかではいられない。「やることはやった」としながらも、「大谷に勝たないと上に行けない。新しい目標ができた」とリベンジに闘志を燃やす。

 来年からは「やることはやった」では許されない立場。とにかくチームを勝利に導くことが求められる。

 そんな状況の中で男はどんな投球を見せてくれるのか…。収穫と課題の1年を終えたかつての怪物左腕が、新エースに名乗りを挙げる。