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2年連続CS進出のロッテは「つなぎの4番」引退 実弾所持助っ人は1年で退団


ロッテは今季、2シーズン連続の3位でシーズンを終え、クライマックスシリーズ(CS)に出場。しかし、CSファーストステージではソフトバンクに2連敗で敗れ、2年連続のファイナル進出はならなかった。3位だったとはいえ、2位・ソフトバンクとは12.5ゲーム差。「2強」とは大差だった一方で、4位・西武にも8ゲーム差をつけ、後半戦はほぼ無風状態で“定位置”を守り続けた。

■2年連続3位も、今季最大の衝撃となったのはサブロー引退

 ロッテは今季、2シーズン連続の3位でシーズンを終え、クライマックスシリーズ(CS)に出場。しかし、CSファーストステージではソフトバンクに2連敗で敗れ、2年連続のファイナル進出はならなかった。3位だったとはいえ、2位・ソフトバンクとは12.5ゲーム差。「2強」とは大差だった一方で、4位・西武にも8ゲーム差をつけ、後半戦はほぼ無風状態で“定位置”を守り続けた。

 そんなチームにとって、今季最大の衝撃となったのは、サブローの引退。ファンから絶大な人気を誇る男がプロ22年間の現役生活に幕を下ろした。また、長打力で存在感を示した大松尚逸外野手、ブルペンを支えて2010年の“下克上“に貢献した伊藤義弘投手らは戦力外に。開幕前に実弾所持で逮捕された新助っ人のヤマイコ・ナバーロ内野手は、期待通りの働きを出来ずに1年で退団となった。

 一時代を築いたサブローをはじめ、今季限りで引退、戦力外、退団となった主なロッテの選手は以下の通り。

◯サブロー外野手(引退)
プロ22年目。通算1782試合出場。打率2割6分5厘、127本塁打、655打点、78盗塁。

 1994年のドラフト1位で入団。2001年以降はロッテ外野陣の中心的存在として、走攻守揃ったプレーで存在感を発揮した。第二次バレンタイン政権で31年ぶりとなる日本一を達成した2005年には、「つなぎの4番」として打率.313を記録。11年にトレードで巨人へ移籍したが、そのオフにはFA権を行使してロッテへ復帰。9月25日の引退試合では長年愛された本拠地ファンからの熱い声援を背に、有終の美を飾る鮮やかな二塁打を記録。引退セレモニーではウグイス嬢の谷保恵美さんによる「サブロ~~~~~~」という代名詞的アナウンスを受けながら、現役生活に別れを告げた。

■ナバーロは開幕前に銃刀法違反で逮捕され出遅れる

◯大松尚逸外野手(戦力外)
プロ12年目。通算811試合出場。打率2割4分9厘、81本塁打、351打点。

 大学時代からスラッガーとして名を馳せ、04年ドラフトで入団。入団当初は同期である竹原直隆(ロッテ→オリックス→西武戦力外)と共に、左右の和製大砲として期待されていた。08年には134試合で24本塁打(満塁ホームラン3本)、91打点を記録。好不調の波は否めないが、非凡な長打力でロッテ打線には貴重な左の大砲として活躍した。11年以降は打撃不振などで出場機会が激減。今季は5月に右アキレス腱を断裂し1軍出場は叶わなかった。現役続行への意欲を示しており、再起となるかその動向に注目が集まる。

◯イ・デウン投手(退団)
入団2年目。通算40試合登板。9勝9敗5ホールド、防御率3.97。

 高校卒業後にカブスと契約を結びプロ生活をスタートさせ、14年オフにロッテに加入の韓国人右腕。涌井、石川、唐川といった右の技巧派が多いロッテ先発投手陣では異色となるパワーピッチャーであり、15年は先発・中継ぎとして9勝(9敗)を記録した。その一方で、リーグ最多63四球と脆さを露呈すると、16年はわずか3登板。韓国代表として昨年11月のプレミア12で見せたポテンシャルの高さを、ロッテでは発揮しきれなかった。今シーズン終了後に兵役のため帰国し、そのまま退団。

◯ヤマイコ・ナバーロ内野手(退団)
入団1年目。通算82試合出場。打率2割1分7厘、10本塁打、44打点。

 15年に韓国球界で48本塁打を放ち、デスパイネとの強力タッグを期待されてロッテに加入。オープン戦初打席ではいきなり本塁打デビューを飾り大いに期待を抱かせたが、その後状況は一変。キャンプ中に拳銃の実弾所持が発覚し、銃刀法違反容疑で逮捕となると、球団から4週間の出場停止処分を受けたため、2軍戦での復帰は4月半ばまでずれ込んだ。1軍合流後はそのパワーの片鱗や勝負強さを見せつける場面もあったが、守備での怠慢などムラのあるプレーぶりが目立ち、1年限りで退団。デスパイネが好調なシーズンを送っていただけに、悔やまれる結果となった。

■強打の青松もついに戦力外に

◯伊藤義弘投手(戦力外)
プロ9年目。通算257試合登板。6勝13敗1セーブ、防御率3.83。

07年の大学・社会人ドラフト4巡目指名で入団すると、この年限りで移籍した小林雅英の背番号「30」を譲り受けた。「幕張の防波堤」と呼ばれた小林雅同様に、入団1年目からリリーフとして活躍し、キレの良いスライダーとシュートを武器に11年まで4年連続50試合登板を達成。10年の日本シリーズでは4試合に登板し、胴上げ投手にもなった。近年は度重なる故障に苦しんでおり、トライアウトを受け、巨人の入団テストを受けたことも伝えられたが、吉報は届かなかった。

◯木村優太投手(戦力外)
プロ8年目。通算47試合登板。1勝6敗1ホールド、防御率5.24。

 190cmの長身で和製ランディ・ジョンソンとも形容された大型左腕。06年のドラフトでは横浜から3位指名を受けるも契約には至らず。07年3月には西武から「栄養費」として現金を受け取っていたことが発覚し、対外試合出場停止などの処分を受けた。08年ドラフトでロッテから1位指名を受け入団したものの、8年間のプロ生活で1勝(6敗)と不本意な結果に終わり戦力外通告。制球に苦しむシーンが目立った。

◯青松慶侑(戦力外)
プロ12年目 通算26試合出場。打率2割1分4厘、1本塁打、5打点。

 2004年ドラフト7巡目で捕手として指名を受け、上宮太子高からプロ入り。入団後はその強打を活かすため、一、三塁手としても起用されてきた(2013年に内野手登録へ変更)。2軍では通算81本塁打を放つなど、強打の内野手候補としてロッテファンからも長きに渡り注目を集める存在であったが、1軍の壁を打ち破れず戦力外通告を受けた。複数ポジションを守った経験や打力には光るものがあり、年齢的にももう一花咲かせることに期待したいところだ。

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