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楽天は最後の創設時メンバーや5球団競合左腕が戦力外に 期待の助っ人は5月退団


梨田昌孝監督が今季から就任した楽天は、開幕直後に一時首位に立つなどリーグを盛り上げた。しかし、負傷者が出るなど失速し、4月は結局5位で終了。交流戦では4つの貯金を作るなどもりかえしたが、パ・リーグの上位3球団からは大きく引き離され、後半戦はAクラスに上がれず。それでも、3年ぶりに最下位は脱出し、5位でシーズン終了を迎えた。

■最下位脱出も5位でシーズン終了、川井と栗原は現役引退

 梨田昌孝監督が今季から就任した楽天は、開幕直後に一時首位に立つなどリーグを盛り上げた。しかし、負傷者が出るなど失速し、4月は結局5位で終了。交流戦では4つの貯金を作るなどもりかえしたが、パ・リーグの上位3球団からは大きく引き離され、後半戦はAクラスに上がれず。それでも、3年ぶりに最下位は脱出し、5位でシーズン終了を迎えた。

 渋い働きで楽天投手陣を支えてきた川井貴志、加入1年目の栗原健太内野手が今季限りでの現役引退を表明。楽天創設時のメンバーで唯一、現役選手としてチームに残っていた牧田明久外野手は戦力外通告を受けた。入団時は将来の楽天を背負って立つ投手として期待された長谷部康平も実績を残せず、9年目で戦力外に。ともに現役引退の意向と伝えられている。また、シーズン序盤には、鳴り物入りで入団したジョニー・ゴームズ外野手が退団するという、まさかの事態もあった。

 今季限りで引退、戦力外となった主な選手は以下の通りとなっている。

◯川井貴志投手(引退)
プロ18年目。通算307試合登板。28勝36敗3ホールド、防御率4.51。

 98年のドラフト3位でロッテに入団。02年に51試合、03年には54試合、04年には47試合に登板とブルペンを支えた。06年のシーズン途中にトレードで楽天に移籍し、ローテの谷間や怪我人が出た際など、チームが困ったときに穴を埋める活躍が光った。今季は5試合登板で0勝1敗、防御率8.22の成績に終わっていた。

◯栗原健太内野手(引退)
プロ17年目。通算1026試合出場。打率2割9分3厘、153本塁打、586打点。

 99年のドラフト3位で広島に入団し、06年から主軸に。08年には打率.332、103打点をマークするなど、打線を牽引した。ゴールデングラブ賞3度(2008年、09年、11年)、ベストナイン1度(11年)を受賞。12年以降は負傷などで出場機会が激減し、自ら自由契約を申し出て昨オフに退団。入団テストを兼ねて、地元東北の楽天の秋季キャンプに参加し、契約に至った。しかし、今年は1軍での出番はなく、イースタン・リーグでは47試合出場で、打率.188、4本塁打、15打点の成績だった。

■牧田は球団創設から所属していた最後の現役選手

◯牧田明久外野手(戦力外)
プロ16年目。通算691試合出場。打率2割5分3厘、23本塁打、150打点。

 00年のドラフト5位で近鉄に指名され、04年オフの選手分配ドラフトで楽天入り。05年に1軍デビュー後、度重なる負傷と戦いながらも、強肩を売りとしたハイレベルな守備、パンチ力のある打撃を武器に主に1軍で活躍。12年には123試合に出場した。今季は16試合の出場にとどまり、戦力外に。昨季、小山伸一郎が引退していたため、楽天の球団創設から所属する最後の現役選手だった。

◯後藤光尊内野手(戦力外)
プロ15年目。通算1361試合出場。打率2割6分9厘、95本塁打、476打点。

 01年ドラフト10位でオリックス入りした後藤は、02年の1軍デビュー以来、オリックスで12シーズンにわたってプレー。12年には1000試合出場、1000本安打を達成した。13年オフに鉄平との交換トレードで楽天へ移籍。移籍直後は外野を守ることもあった。15年には117試合に出場した。今季は50試合に出場し、打率.250だった。

◯長谷部康平投手(戦力外)
プロ9年目。通算110試合登板。11勝19敗3セーブ11ホールド、防御率5.37

 07年の北京五輪予選で唯一のアマチュアとして日本代表入り。同年の大学生・社会人ドラフトで5球団が競合し、抽選の末に楽天に入団した。岩隈久志、田中将大に次ぐ先発3番手と期待されたが、ルーキーイヤーのオープン戦で膝を痛めるなど、入団後は度重なる怪我で成績が残せず。13年には中継ぎとして24試合に登板し、防御率1.83と復活の兆しを見せたが、その後は好成績が続かなかった。

◯金無英投手(戦力外)
プロ8年目。通算89試合登板。2勝2敗6ホールド、防御率2.88

 08年のドラフト6位でソフトバンクに入団。12年に29試合登板で1勝1敗、防御率1.72をマークするなど、ブルペンを支えた。15年は1軍登板がなく、オフに戦力外に。入団テストを経て楽天と契約したが、今季はわずか2試合の登板にとどまった。

■“優勝請負人”と期待のゴームズは打撃低迷で早々に帰国

◯山内壮馬投手(戦力外)
プロ9年目。通算57試合登板。17勝15敗1ホールド、防御率3.01

 07年の大学生・社会人ドラフト1巡目で中日に入団。12年に24試合に先発して10勝7敗、防御率2.43と好成績を残した。しかし、その後は実績を残せず、15年はプロ入り後初の1軍登板なしで戦力外に。オフに入団テストを経て楽天と契約したが、今季は1試合登板で2年連続の戦力外となった。

◯川本良平捕手(戦力外)
プロ12年目。通算345試合出場。打率2割7厘、19本塁打、79打点。

 04年のドラフト4位でヤクルトに入団。ルーキーイヤーに1軍キャンプでスタートを切るなど期待された。パンチ力のある打撃などを生かして存在感を見せる年もあったが、シーズンを通して正捕手の座をつかむことはできず。13年3月にロッテにトレードされ、3年で戦力外に。15年オフに入団テストを経て楽天と契約したが、今季は11試合の出場に留まり、2年連続で戦力外となった。

◯岩崎達郎内野手(戦力外)
プロ10年目。通算378試合出場。打率1割9分7厘、1本塁打、33打点。

 06年の大学生・社会人ドラフト6位で中日に入団。守備力を生かして10年には自己最多78試合に出場した。13年3月3月に金銭トレードで楽天へ。1年目は74試合に出場したが、徐々に出場機会を減らし、今季はプロ入り後初の1軍出場なしで戦力外となった。

◯ジョニー・ゴームズ外野手(シーズン途中に退団)
入団1年目。18試合出場。打率1割6分9厘、1本塁打、7打点。

 2月に補強の目玉として加入が決定。メジャー通算1203試合出場で162本塁打、526打点を誇り、13年にはレッドソックスで上原、田澤とともにワールドシリーズ(WS)制覇に貢献。人格者として知られ、15年もロイヤルズで世界一に輝くなど“優勝請負人”としても期待された。しかし、楽天では打撃低迷。5月に退団が発表された。米帰国後は地元メディアに対し、チームメートとのコミュニケーションに問題があったことや、地震の恐ろしさを経験したことなどを退団の理由として明かした。

◯ラダメス・リズ投手(退団)
入団1年目。5試合登板。0勝3敗1ホールド、防御率6.94。

 今季から楽天に加入したドミニカ共和国出身の右腕。11年には韓国LGツインズで同国史上最速となる161キロをマークし、昨年はメジャーでも150キロ台後半を連発した剛腕として期待されたが、活躍できずに1年で退団となった。

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