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オリックスは近年稀に見る“助っ人外れ年” 自称166キロも「糸井2世」も不発


今季のオリックスは、近年稀に見る助っ人の外れ年だった。チームは57勝83敗3分、借金26で4年ぶりに最下位。今季は期待した外国人たちに泣かされ続けた福良監督も「こんな年は珍しいんじゃないか。誰か一人ぐらいは戦力になるんだけどね」と、シーズン後には苦笑いを浮かべるしかなかった。

■外国人に泣かされて最下位、福良監督も「誰か一人ぐらいは戦力になるんだけど…」

 今季のオリックスは、近年稀に見る助っ人の外れ年だった。チームは57勝83敗3分、借金26で4年ぶりに最下位。今季は期待した外国人たちに泣かされ続けた福良監督も「こんな年は珍しいんじゃないか。誰か一人ぐらいは戦力になるんだけどね」と、シーズン後には苦笑いを浮かべるしかなかった。

 シーズンを通して力になったのは来日4年目のブランドン・ディクソン。先発陣の中で唯一、1年間ローテを守りきり、27試合登板で9勝11敗、防御率4.36。投球回数は自己最長の171回1/3を記録した。ただ、防御率、被本塁打 (17本)は自己ワーストとなり、不振が続いた年といえるだろう。

 新加入の外国人勢は誰一人として期待に応えられなかった。守護神として期待された160キロ右腕のエリック・コーディエは西武との開幕戦(西武ドーム)で1点リードの9回に登板したが、リードを守れずサヨナラ負け。その後も不安定な投球が続き、9月中に帰国し退団することに。

 さらに走攻守が売りだったブライアン・ボグセビックも目立った活躍はなく60試合に出場し打率.187、3本塁打、18打点。シーズン終盤は2軍調整が続き、退団する見込みだ。さらにシーズン途中に獲得した元中日の大砲マット・クラークはわずか11試合出場、打率.172、2本塁打、4打点と散々な結果に終わった。同じく途中加入の左腕パット・ミッシュも3試合に登板し0勝1敗、防御率8.44と全く活躍することなく球団を去った。

■モレルは減俸提示も再契約の予定、5選手は退団へ

 2年契約最終年のトニ・ブランコは体重増加と度重なるケガもあり27試合出場、打率.218、3本塁打、13打点と来日8年目で全ての項目で自己ワースト。開幕戦で4番を務めたブレント・モレルは減俸提示で再契約する予定だが、外国人5選手がチームを去ることになった。

 今オフの補強ポイントは、阪神入りが決まった糸井の穴を埋める左翼、そして投手では先発、中継ぎとなる。すでにステファン・ロメロ外野手(マリナーズ)、中継ぎ右腕のマット・ウェスト投手(ドジャース)、先発左腕のフィル・コーク投手(パイレーツ)の新助っ人3選手と大筋合意している。

  以下は今季まで在籍した外国人の通算成績。

◯ブランドン・ディクソン
米国出身。来日4年目の今季は自己最多の27試合に先発登板。9勝11敗、防御率4.36。2桁勝利は一度もないが、先発として安定した投球を続ける優良助っ人。通算成績は96試合に登板、35勝38敗、防御率3.32。

◯エリック・コーディエ
米国出身。自称166キロ右腕として新加入。オープン戦では5回無失点と好投を続けていたが、3月25日・西武との開幕戦(西武ドーム)で1点リードの9回に登板もサヨナラ負け。通算13試合に登板、0勝2敗2セーブ、防御率7.30。

■中日とDeNAでタイトル獲得のブランコは期待を裏切る

◯ブライアン・ボグセビック
米国出身走攻守でレベルが高く、投手出身の左打ちで加入当初は「糸井2世」の呼び声が高かった。開幕戦は5番に座ったが、打撃の調子は上がることはなかった。通算60試合出場、打率.187、3本塁打、18打点、3盗塁。

◯ブレント・モレル
米国出身。開幕戦は4番を務め、主に三塁手として出場したが、打撃不振などで3度抹消を経験。シーズン終盤には日本球界に対応を見せ始め、球団は大幅減で契約する方針。通算94試合出場、打率.244、8本塁打、38打点、2盗塁。

◯トニ・ブランコ
ドミニカ共和国出身。中日で09年に39本塁打、110打点で2冠に輝き、13年にはDeNAで2度目の打点王(136打点)に。14年オフに2年5億円の破格の契約でDeNAから移籍。体重増が止まらず度重なるケガに悩まされ、15年は52試合出場、今季は27試合出場と期待を裏切り退団となった。通算750試合出場、打率.272、181本塁打、542打点。

◯マット・クラ ーク
米国出身。中日時代の13年は132試合に出場し25本塁打をマークした左の大砲。シーズン途中に加入したが、過去の打撃を取り戻せず、わずか11試合の出場に終わった。通算143試合出場、打率.234、27本塁打、74打点。

◯パット・ミッシュ
米国出身。来日初登板となった4月9日のソフトバンク戦(鹿児島)で初球にボークを取られる珍記録を作った。通算3試合に登板、0勝1敗、防御率8.44。

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