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レッドソックスの使いすぎが田澤純一の価値を落とした? 地元紙が疑問提起


2013-15年の3シーズン(プレーオフも含む)で、田澤は合計197回1/3を投げ、これはリリーバーとしてはメジャーで19番目に多い投球回数だったという。

■同時期に最も働いた中継ぎ、カージナルスのローゼンサルも怪我

 ピッチャーの肩は消耗品、という考え方が“野球界の常識”となって久しいが、その過程で投球回数や勤続疲労に対する深い注意が払われるようになった。一方で、先発投手なら年間200イニング以上、救援投手なら年間60イニング以上投げられる“耐久性”のある投手は重宝される傾向も。特に、救援の場合、チーム事情により“耐久性”のある投手に頼り切りになり、実際に試合で投げずにブルペンで肩を作った場合も含めれば、3連投以上を繰り返すケースも少なくない。

 そんな大車輪の働きをした投手の1人が、今オフに8年を過ごしたレッドソックスからフリーエージェント(FA)となった田澤純一だ。ボストンの地元紙「ボストン・ヘラルド」電子版では、「使いすぎが田澤の価値を落とした?」との見出しで疑問を提起している。

 レッドソックスが世界一に輝いた2013年に、守護神だった上原浩治につなぐセットアッパーとして活躍。この年はレギュラーシーズンとプレーオフを合わせて84試合、75回2/3を投げた。記事によれば、2013-15年の3シーズン(プレーオフも含む)で、田澤は合計197回1/3を投げ、これはリリーバーとしてはメジャーで19番目に多い投球回数だったという。

■「強くなかっただけなのか? ソックスが使いすぎたのか?」

 2015年は61試合に登板し、58回2/3を投げながらも、9月半ばには疲労蓄積と判断した球団が残り試合には登板させないと発表。今季は昨季より6イニング少ない32回1/3を投げて前半を終えたが、右肩の違和感で故障者リスト入りし、最終的には53試合に登板し、49回2/3を投げて、防御率4.17という成績だった。

 記事では、2013-15年にリリーバーとして最多投球回数の231回2/3を投げたカージナルスのトレバー・ローゼンサルが、今季は成績不振の後に怪我でシーズンを棒に振ったことを紹介。一方で、同時期に4番目に多い投球回数(224回1/3)を記録したマーク・メランソン(ナショナルズFA)は、今季75試合に投げて47セーブを挙げたことにも触れ、「タザワは単純に他の投手ほど強くなかっただけなのか? あるいは(レッド)ソックスが使いすぎたのか?」と疑問を呈している。

 2015年(2勝7敗、防御率4.14)、2016年(3勝2敗、防御率4.17)と2年連続で「不本意な成績で終えたタザワと(レッド)ソックスが再契約するとは思えない」としているが、他球団はどんな評価をするのか。選手としては脂の乗る31歳を迎える年に、どの球団とどんな契約を結ぶことになるのか。去就から目が離せなさそうだ。

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