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再建進めるヤ軍、田中将大のトレードも? 米メディア「議論する人は賢い」


ヤンキースは今オフ、ブライアン・マッキャン捕手をアストロズにトレードで放出し、若手投手2人を獲得するなど、チーム再建に向けて「売り手」の立場になりつつある。そして、有望な若手を獲得するため、今季サイ・ヤング賞の投票で7位に入った田中将大投手をトレード要員として放出する可能性を指摘する米メディアも出てきた。

■田中を今オフに放出する可能性はあるのか? ヤンキースの次なる手とは…

 ヤンキースは今オフ、ブライアン・マッキャン捕手をアストロズにトレードで放出し、若手投手2人を獲得するなど、チーム再建に向けて「売り手」の立場になりつつある。そして、有望な若手を獲得するため、今季サイ・ヤング賞の投票で7位に入った田中将大投手をトレード要員として放出する可能性を指摘する米メディアも出てきた。

 地元テレビ局「CBSスポーツ」(電子版)は「ブライス・ハーパー獲得にたどり着くための、ヤンキースの再建のステップとは」とのタイトルで特集。ナショナルズの若きスーパースター、ハーパーが2018年シーズン終了後にFAとなれば獲得に動くとされているヤンキースの今後の補強策について取り上げており、その中で「田中放出」という衝撃的なプランもチーム再建への1つの手だと分析している。

 ヤンキースは今年7月のトレード期限直前でも売り手となっていた。クローザーのアロルディス・チャップマンをカブスに、セットアッパーのアンドリュー・ミラーをインディアンスに、強打者カルロス・ベルトランをレンジャーズに、先発右腕イバン・ノバをパイレーツにそれぞれトレードで放出。代わりに有望な若手を獲得し、チームの再建を進めてきた。

 特集では「ニューヨークの大売出しはブライアン・マッキャンのトレードで今週も続いた。マッキャンは2人の投手のプロスペクト(若手有望株)と引き換えにアストロズにトレードに出された。移籍期限の動きとマッキャンのディールで、ヤンキースは過去4か月間で5人のベテランと引き換えに、14人の若手をトレード(で獲得)した」とレポート。名門球団の下部組織は最も人材豊富となったという評価も出ており、将来の常勝軍団復活への布石は打たれているという。

■田中放出なら「間違いなく優秀な複数のプロスペクトをもたらす」

 さらに、ヤンキースは更なるトレードを画策していると記事では指摘。生え抜きのブレット・ガードナー外野手や、14年途中に加入したチェイス・ヘッドリー内塁手が次なる放出要員とレポートしている。また、チームは2014年から7年1億5300万ドル(約170億円)の大型契約を結んだジャコビー・エルズベリー外野手の放出を切望しているというが、故障がちのリードオフマンの引き取り手はないとも伝えている。

 そして、未来の常勝軍団復活のために、田中も慌ただしいオフを迎える可能性があると、「CBSスポーツ」は分析を進めている。

「若返りという球団の決意に最大の試練となるのがマサヒロ・タナカとデリン・ベタンセスの扱いだ。ヤンキースはエースと生え抜きのリリーバーを放出しようとするのだろうか。どちらも間違いなく(ヤンキースに)優秀な複数のプロスペクトをもたらすことになる。彼らをトレードに出すことは、ヤンキースが2017年シーズンにタイトルを争う本当の計画は存在しないことを明確にするだろう」

 今季、先発ローテーションの柱として14勝4敗、リーグ3位の防御率3.07と活躍した日本人エース、さらに今季73試合に登板し、3勝6敗12セーブ28ホールド、防御率3.08という成績だったベタンセスも有望な若手と引き換えに放出される可能性もあるというのだ。その根拠とは何なのか。

「タナカとベタンセスのトレードの可能性について議論する人は賢いかもしれない。タナカは素晴らしい。28歳になったばかりだが、来季終了後に契約をオプトアウト(破棄)できる。ヤンキースは1つのドラフト指名権以外に、彼をタダで失う危機に直面する可能性もある」

■来季終了後に契約破棄の権利を持つ田中は今が売り時?

 田中の契約には、メジャー4年目となる2017年シーズン終了後に契約を破棄してフリーエージェント(FA)となれる条項が盛り込まれている。クオリファイング・オファーを出せば、見返りに移籍先の球団からドラフト指名権は得られるものの、動向は田中の来季成績と決断次第となる。もちろん、FAとなっても再契約の可能性は残されるが、契約条件は上がることになる。それだけに、見返りとして他球団の若手が獲得できる今オフが売り時という考えもあるという。一方、田中が全球団に対してトレード拒否権を保有しているという事実もあり、移籍が実現するかは分からない。

 また、ベタンセスは実力抜群だが、今季まで3年連続70試合以上に登板。シーズン毎に成績を下降させているいるために「トレード要員としての価値はこれ以上、上がらない」と記事では分析している。

 ニューヨークメディアからは、今季の力投で「エース」と認められた田中。優秀な先発投手が“枯渇”している今オフのFA市場で、ストーブリーグの大きな目玉になる可能性はあるのだろうか。

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