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巨人から続々と北の大地へ 日本ハムで再起を期す元G戦士たち


今年も巨人と日本ハムの交換トレードが実現した。巨人・大田泰示外野手、公文克彦投手と日本ハムの吉川光夫投手、石川慎吾外野手との「2対2」の交換トレードだ。さらに今年までインディアンス3Aでプレーした村田透投手の加入を発表した。その村田もかつてはG戦士だった。

■大田&公文がトレードで移籍、元巨人ドラ1右腕も日本ハムへ

 今年も巨人と日本ハムの交換トレードが実現した。巨人・大田泰示外野手、公文克彦投手と日本ハムの吉川光夫投手、石川慎吾外野手との「2対2」の交換トレードだ。トレードだけではなく、今季日本一を達成した日本ハムは補強を敢行。今年までインディアンス3Aでプレーした村田透投手の加入を発表した。その村田もかつてはG戦士だった。

 村田は大体大から2007年の大学・社会人ドラフト1巡目指名を受け、巨人に入団。しかし1軍登板がないまま、2010年に戦力外になった。2011年にメジャーを目指して渡米。マイナーで勝利を積み、昨年の6月28日には初のメジャー昇格。オリオールズとのダブルヘッダー第2試合で先発し、メジャーデビューを果たした。今季は3Aで33試合に登板(10試合に先発)し、9勝4敗4セーブ、防御率3.78をマーク。先発も中継ぎもでき、何よりもハングリー精神のある投手。活躍が期待できる。

 今年の日本シリーズでも元G戦士捕手が投手陣を支えた。市川友也捕手である。

 今季は71試合に出場し、初の日本シリーズの舞台にも立った。体を張ったプレーで優勝に貢献した一人。巨人から2009年のドラフトで4位指名されたが、初年度は3試合の出場で、在籍4年で9試合にとどまった。通算10打席でノーヒット。2013年オフに金銭トレードで日本ハムに移籍となった。

■市川はチームに欠かせない捕手に

 栗山監督は出場機会を与えるとその巧みなリードと打撃が開花。移籍1年目の14年に71試合に出場し、プロ初安打だけでなく、初本塁打を記録するなど野球人生が大きく変わった。大谷や有原らからの信頼も厚く、チームに欠かせない捕手となった。

 今年はシーズン中の4月にも交換トレードがあった。左腕投手不足の巨人が乾真大を獲得。代わりに日本ハムには北海道出身の大累進内野手が移籍した。駒大苫小牧高校、道都大出身の26歳は2012年ドラフトで巨人から2位指名。「犬より速い男」と言われるほどの俊足を売りにプロの世界に飛び込んだ。しかし、層の厚い内野陣との競争や、靱帯を痛める怪我などもあり、1軍出場は新人イヤーの2試合の代走だけだった。

 その大累は今年、新天地で1軍出場は14試合だけだが、プロ初盗塁を記録するなど地元ファンに足を見せる機会があった。来季以降の活躍も期待したいところだ。

 2015年のシーズン途中には巨人で代打の切り札だった矢野謙次が元日本ハム左腕の須永英輝とともにトレードで日本ハムに移籍。代わりに矢貫俊之、北篤が巨人に加わった。矢野は栗山監督から大きな期待を寄せられ、それに応えた。移籍直後のDeNAとの交流戦で「6番・DH」で出場し6打数3安打。移籍後初出場でお立ち台に上がった。セ・リーグを知る男として、力を発揮。同じカードで逆転3ランを放つなど、光が当たった。今季は代打で存在感を示し、何よりも準備に余念のない代打職人の姿に大谷ら若い選手も感化されている。若手の良い見本にもなり、新たな野球の楽しみを感じながらプレーしている。

■岩舘は引退後もスカウトとして貢献、2008年には衝撃のトレードも

 2009年には岩舘学内野手が金銭トレードで巨人から日本ハムへ。岩館は東洋大から2003年のドラフト5位で入団。守備力の高い内野手として期待された。しかし、1軍定着はならず09年オフに移籍。日本ハムでプレーしたのは3年だったが、どこでも守れる内野手として最終年の2012年は自己最多の24試合に出場し、プロ初本塁打も記録した。

 同年をもって現役を引退したが、球団は岩館の真面目な性格や人柄、冷静かつ広い視野で野球を見られる点を高く評価し、プロスカウトに起用。今は高校野球や大学野球などアマチュア野球をくまなくチェックし、将来の主力の発掘に力を注いでいる。

 今回の大田の時のような衝撃があったトレードは2008年。巨人から主力だった二岡智宏と林昌範、日本ハムからマイケル中村、工藤隆人が移籍した。二岡は日本ハム1年目の2009年に勝負強い打撃で勝利に貢献。指名打者枠でオールスターに出場するなど、脚光を浴びた。

 2010年は4番を任される試合もあり、2年連続で球宴出場。その後も代打の切り札としても活躍したが、ケガにも苦しみ、2013年シーズン限りで引退をした。林は2009年に46試合3勝2敗9ホールド、防御率3.33、翌10年は35試合で2勝2敗14ホールド、防御率2.64の成績だった。

 その他にも多くの元G戦士が日本ハムのユニホームを来て、新天地で再起を図った。環境が変われば、チャンスも増え、モチベーションも変わる。もともと力をもってプロの世界に入ってきた選手たち。大田や公文、吉川光、石川も古巣を悔しがらせるほどの活躍を期待したい。

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