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永遠の高校球児が目指す舞台 甲子園の土を踏めるのはどちらの高校か 【マスターズ甲子園東京大会プレーオフ】

性別・世代、元プロ野球選手、アマチュア野球選手などのキャリアの壁を越え、同窓会チーム同士で高校時代と同じく「阪神甲子園球場」での夢舞台を目指す「マスターズ甲子園」。

2004年に発足した大会は大きな反響を呼び、全国で次々に加盟チームが名乗りを上げ、現状2日間計8試合しかない甲子園大会の参加枠は年々狭き門となってきている。

それは全国最多の高校野球部が存在する東京都であっても例外ではなく、現在の東京都代表の甲子園への参加枠は2年に一度。その狭き門をめぐる最後の戦いであるプレーオフが、2016年シーズン東京大会優勝の立川高校OBと2017年シーズン東京大会優勝の国学院久我山高校OBの間で行われる。

OBチームとして過去2回の甲子園出場のある立川高校は、前人未到の3度目の甲子園を目指すことになる。決戦に先立ち、立川高校を率いる林監督は、「これまで何度か神宮球場での東京大会決勝戦や甲子園に立たせてもらって、本当にありがたい立場だとは思う。また、少しは空気を読んで他のチームに譲ってやれと言われてもいるが、やっぱり甲子園は永遠のあこがれの場所。ここで負けるわけにはいかないし、もう一度母校のメンバーとあの舞台に立ちたい。」と抱負を語る。

一方、マスターズ東京連盟に加盟して2年目で一気に2017年シーズンの頂点に立った国学院久我山の田代監督は「加盟1年目のことを思い返すと、まさか2年目でここまでこれるとは思ってもみなかった。それでも目標の場所まであと一つ。必ずいい試合にしたいし、自分たちの野球ができれば、いい結果が出るはず。」と自然体のプレーを強調した。

2017年の準決勝でも両チームは対戦しており、追いすがる立川を、国学院久我山が終盤に振り切り9-7で勝利するという展開だった。しかし、両チームの間の実力差はほとんどない。立川には原口選手、国学院久我山は大久保選手とマスターズ東京を代表する剛腕投手を擁しており、先発投手のレベルは東京随一。攻撃面においても、打撃だけでなく機動力も前面に押し出しながら主導権を握り、総合力で他のチームを圧倒してきた。

間違いなくマスターズ東京の最高峰の戦いとなる注目の一戦は、2018年4月15日(日)江戸川区球場で開催される。(9:30プレーボール予定)


さらに東京・神保町にある日本野球発祥の地と言われる学士会館で、東京都高校野球OB連盟の総会およびマスターズ東京大会2018シーズンの抽選会が開催された。

注目の2018シーズンの組み合わせは以下の通り。

*雨天中止および一部調整中の球場があるため、変更となる場合があります。

予選リーグはリーグ戦形式(各チーム2試合)で行われ、1位のチームが決勝トーナメントに進出する。勝ち点・勝ち数が同数の場合は、順位決定戦を行う。

グループⅠ


実力が拮抗しており、どのチームにも充分決勝トーナメント進出の可能性がある。現役野球部の実績では甲子園にも出場している日大二高がやや優勢だが、昨年初参加で1勝を挙げた麻布や小平・明大中野八王子・保谷との連合チームである小平連合も実力的には全く引けをとらない。

マスターズ東京の記念すべき甲子園初出場の際(2008年東京都選抜として参加)、先発マウンドにたった明大中野八王子:高木選手から小平:酒井選手への黄金リレーも今から楽しみだ。

また単独チーム初勝利を目指す豊多摩も若手~30代メンバーが多く集まり、悲願の初勝利に燃えている。初戦から目を離せない試合が続くだろう。

①:4月21日(土)日大二高グランド
9:00~ 日大二高 vs 小平連合

②:4月22日(日)東大グランド
13:45~ 豊多摩 vs 麻布

③:6月30日(土)府中市民球場
8:30~ 日大二高 vs 豊多摩

④:8月5日(日)上柚木球場
8:30~ 小平連合 vs 麻布

グループⅡ


前年度優勝の国学院久我山、準優勝の城北、ベスト4の立川に加え、実力校の駒場学園が入る今シーズンで最大の激戦ブロックとなった。
まさかのプレーオフからの連戦となる国学院久我山と立川の対戦は、ここで負けると決勝トーナメント進出がほぼ絶望となるだけに、両チームともプレーオフ同様に絶対に負けられない重要な一戦となる。機動力もある国学院久我山の上位打線を、立川守備陣がどう守るのか、見逃せない展開となるだろう。
また2016年シーズンの再戦となる城北と駒場学園。前回は初出場だった城北を駒場学園が本塁打を含む打撃力で圧倒したが、2年たっての戦いはどうなるか、こちらも目が離せない。

①:5月27日(日)東大グランド
9:45~ 国学院久我山 vs 立川

②:5月4日(金・祝)小野路球場
13:00~ 駒場学園 vs 城北

③:6月30日(土)府中市民球場
11:15~ 国学院久我山 vs 駒場学園

④:6月23日(土)日体大荏原グランド
7:50~ 立川 vs 城北

グループⅢ


甲子園出場経験のある日体大荏原と、過去4年連続ベスト4以上の東亜学園が軸となる。ただし過去に準優勝2回でマスターズの戦いを知り尽くした経験豊富な狛江、マスターズ参戦2年目の中大付属も決して侮れない存在。
日体大荏原の寺崎主将も、「狛江は小川監督を中心にとてもまとまりのある好チーム。こちらも精一杯戦いたい。」と油断の色は見られない。
中大付属と東亜学園は学校が近くにあり、現役時代にもよく練習試合をした間柄だ。世代を越えての再戦も非常に興味深い一戦だ。

①:5月19日(土)日体大荏原グランド
7:50~ 日体大荏原 vs 狛江

②:5月12日(土)日大二高グランド
9:00~ 中大付属 vs 東亜学園

③:6月30日(土)府中市民球場
14:00~ 日体大荏原 vs 中大付属

④:8月5日(日)上柚木球場
11:15~ 狛江 vs 東亜学園

グループⅣ


今シーズンの開幕戦を修徳と戦うことになった安田学園が実績面では一歩リードか。ただし安田学園は、修徳に続く2戦目の相手が日比谷となり、実力校との戦いが続く。いくら百戦錬磨の安田学園といえども、5チームがひしめき合うこのグループを勝ち抜くのは一筋縄ではいかないだろう。
修徳は現役時代に甲子園に出場したメンバーも参加し、戦力面は充実。135キロ右腕の大屋選手、マスターズ東京最年長52歳での本塁打記録を持つ加藤選手にも注目だ。
2016年ベスト4の日比谷は、昨年に続いての安田学園との対戦。昨年、決勝トーナメント進出をかけた試合で惜しくも破れたが、雪辱の機会が早くも訪れ、モチベーションは高い。初戦に勝って波にのってくると、経験豊富な選手も多いだけに強豪校にとっても怖い存在だろう。
また今年から初参加となった国分寺は武蔵との対戦となった。過去に国分寺高校野球部が軟式から硬式になった時、最初の公式戦の相手がなんと武蔵であり、今回は36年ぶりの再戦となった。武蔵のメンバーは「軟式時代に強豪だった国分寺が硬式になり、すぐの対戦と言うことで、どんなチームなのか戦々恐々としていた」と当時のことを振り返る。このようなことが起きるのもマスターズ甲子園の魅力であり醍醐味。時を越えた対決は、選手にとってもかけがえのないものになるだろう。

①:4月15日(日)江戸川球場
13:30~ 安田学園 vs 修徳

②:5月4日(金・祝)小野路球場
9:30~ 武蔵 vs 国分寺

③:6月2日(土)日体大荏原グランド
7:50~ 安田学園 vs 日比谷

④:6月9日(土)日大二高グランド
12:00~ 修徳 vs 武蔵

⑤:8月5日(日)上柚木球場
14:00~ 日比谷 vs 国分寺

今年も、永遠の高校球児の戦いから目を離せない。