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楽天が細川を獲得 ベテラン捕手加入のメリットとは


 楽天は16日、ソフトバンクから自由契約となった細川亨の獲得を発表した。

 細川は西武からFA移籍し11年にソフトバンクに加入。移籍後は正捕手として11年、14年、15年のリーグ優勝と日本一に大きく貢献した。今季は故障に悩まされ、出場試合数は移籍後最少の49試合にとどまったが、CSでは7試合中、5試合で先発マスクを被るなど、存在感を示していた。

 ソフトバンクを自由契約となった細川は、12日に行われた12球団合同トライアウトに受験することなく、楽天と契約を結んだ。

 楽天の捕手事情を見ると、先日行われたメキシコ、オランダとの強化試合の侍ジャパンに選出された嶋基宏、嶋が故障離脱中に先発マスクを被ることが多かったルーキーの足立祐一がいる。その他にも打撃が得意な伊志嶺忠、プロ7年目の小関翔太などが控える。そんな中、楽天は細川を獲得した。

 来季37歳を迎えるベテランの細川を獲得した理由の1つに、ソフトバンクとの対戦成績が関係しているのではないだろうか。

【楽天のvsソフトバンク戦成績】
11年:10勝13敗1分
12年:13勝9敗2分
13年:12勝12敗
14年:12勝12敗
15年:8勝16敗1分
16年:8勝16敗1分

 上記は楽天の対ソフトバンク戦の成績だ。楽天は12年に13勝9敗2分とソフトバンクに勝ち越しているが、この2年は15年、16年ともに8勝16敗1分と大きく負け越した。

 野手では柳田悠岐に16年の楽天戦、打率.343、2本塁打、9打点、15年が打率.359、5本塁打、20打点とカモにされている。特に今季は先発の釜田義直が被打率.636(11-7)、美馬学が被打率.571(7-4)と打ち込まれた。3番を打つ柳田に打たれたことにより、得点圏で4番・内川聖一に回ることが多く、内川1人に24打点を献上した。

 投手陣もエース格に成長した武田翔太にこの2年で1勝6敗、中田賢一も1勝7敗と苦手にする。特に武田は今季楽天戦に6試合に登板して4勝0敗、防御率1.02と完璧に封じられた。ソフトバンクの投手・野手陣の弱点を攻略しなければ、勝ち越すことは難しい。

 そういった意味でも細川の加入は大きい。ソフトバンク時代を見ても、10年は西武に10勝14敗と負け越したが、細川が加入した11年の西武戦は、15勝5敗4分と大きく勝ち越した。さらに10年フェルナンデスに打率.447、3本塁打、10打点と打ち込まれたが、細川がソフトバンクに入団した11年は打率.165と抑え込んだ。

 過去の例を考えると、手も足も出なかったソフトバンクを熟知する細川を獲得できたことは、大きいといえるだろう。