BASEBALL GATE

プロ野球

“大当たり”多数、外国人枠争いも熾烈 広島の25年ぶりV導いた助っ人たち


外国人選手の活躍なしに25年ぶりの優勝は果たせなかったのは間違いない。ハイレベルの助っ人が揃い、外国人枠の争いも熾烈だった広島。中でもMVP級の活躍を見せたのがクリス・ジョンソン投手だった。

■その存在なくして25年ぶりV語れない―、存在感際立った広島助っ人たち

 外国人選手の活躍なしに25年ぶりの優勝は果たせなかったのは間違いない。ハイレベルの助っ人が揃い、外国人枠の争いも熾烈だった広島。中でもMVP級の活躍を見せたのがクリス・ジョンソン投手だった。

 来日2年目の左腕は1年目の14勝を上回る15勝を挙げ、防御率2.15と抜群の安定感を誇った。勝ち星、防御率はいずれも2位でタイトルこそ逃したが、先発した26試合のうち、24試合でクオリティースタート(6回以上投げて、自責点3以下)を達成。QS率92パセーンはリーグトップの数字で、外国人では1964年のバッキー(阪神)以来、52年ぶりとなる沢村賞を受賞した。

 投手では共に来日1年目のジェイ・ジャクソン、ブレイディン・ヘーゲンズも獅子奮迅の活躍。ジャクソンは8回を投げるセットアッパーとして67試合に登板。球団の最多ホールド記録となる37ホールドをマークした。ヘーゲンズも当初は中継ぎとして、勝利の方程式の一角を務めたが、先発の駒不足となった8月以降に先発に転向。50試合に登板し7勝、防御率も2.92と大活躍だった。

 一方、投手で3枠を占めたため、打者は長打力のブラッド・エルドレッドと勝負強いエクトル・ルナのどちらかを起用する形に。来日5年目のエルドレッドは95試合の出場で21本塁打。日本シリーズでも3本塁打を放つなど、結果を残したが、来日4年目、中日から移籍1年目のルナは67試合で5本塁打34打点とやや物足りない成績に終わった。

■来季の契約が微妙な助っ人も

 選手層が厚かったため、新外国人のジェイソン・プライディは1軍出場0。夏場に補強したスティーブ・デラバーもわずか2試合の登板に終わった。来季の契約は微妙な状況だろう。

 以下は広島の助っ人選手の今季の成績。

〇クリス・ジョンソン
米国出身。2006年にレッドソックスに1巡目で指名されたが、メジャーでは未勝利。15年から広島でプレーし、14勝7敗、防御率1.85で最優秀防御率のタイトルを獲得。2年目の今季も15勝7敗、防御率2.15でリーグ優勝に大きく貢献。沢村賞も受賞した。シーズン中に来季からの3年総額約10億円(推定)で契約を結びなおした。

〇ジェイ・ジャクソン
米国出身。米ではパドレスなどでプレー。来日1年目の今季はセットアッパーとして活躍。67試合で5勝4敗37ホールド、防御率1.71。日本シリーズでは全6試合に登板したが、第6戦でレア-ドに満塁弾を浴びるなど、シーズン通りの活躍はできなかった。

〇ブレイディン・ヘーゲンズ
米国出身。メジャー経験は2試合だけ。今季から広島でプレーし、シーズン中盤までは中継ぎとして主に勝ちパターンの7回を投げた。8月以降は先発に回り2勝。50試合で7勝5敗19ホールド、防御率2.92と安定した成績を残した。

■NPB通算100本塁打に到達したエルドレッド

〇スティーブ・デラバー
米国出身。メジャーではブルージェイズに所属した2013年のオールスターに出場するなど、通算190試合に登板した。7月に来日したが、投手陣の層が厚く、リーグ優勝決定後に2試合に登板しただけだった。ただその2試合は打者6人から4三振を奪うなど、一人の走者も出さない完璧な投球を披露。

〇ブラッド・エルドレッド
米国出身。メジャーではロッキーズ、タイガースなどでプレーし通算90試合に出場。2012年のシーズン途中に来日すると、65試合の出場で11本塁打とパワーを見せた。3年目の14年には37本塁打で本塁打王。今季もルナとの併用だったが、95試合で21本塁打、53打点、打率.294と健在ぶりを発揮。9月には日本通算100本塁打も達成した。

〇エクトル・ルナ
ドミニカ共和国出身。メジャー通算339試合に出場。13年から中日でプレー。初年度は規定打席に達しなかったが、打率.350の成績を残した。中日で3年間プレーし、今季から広島に移籍。67試合で5本塁打、34打点、打率.272だった。クライマックスシリーズ最終ステージのDeNA戦で右肩を痛め、日本シリーズは欠場。来季の契約は微妙な状況だ。

〇ジェイソン・プライディ
米国出身。メッツ、フィリーズなどでメジャー通算133試合に出場。メッツ時代には黒田博樹から本塁打したこともある大砲だったが、来日1年目の今季は外国人枠の関係もあり1軍出場0に終わった。来季も広島に残る可能性は低いと見られている。

関連リンク