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佐々木千隼に触発!?明大の大黒柱・柳が投打に大活躍/“佐々木だけじゃない”桜美林大が初出場初決勝【明治神宮大会—大学の部】

エース兼主将の大黒柱・柳裕也

エース兼主将の大黒柱・柳裕也

11月15日、「秋の大学日本一」を決める明治神宮野球大会大学の部5日目は準決勝2試合が行われた。それぞれ接戦を制した明治大が2年ぶり、桜美林大が初出場で初の決勝進出を決めた。決勝戦は16日の12時から明治神宮野球場で行われる。

★柳、星のドラフト指名選手リレーで完封
明治大 100200000=3
上武大 000000000=0
【明】柳、星—牛島
【上】寺沢、霍本、宮川哲、鈴木、石井、山下—吉田
本塁打:柳(明治)

 エース兼主将の大黒柱・柳裕也投手(4年・横浜/中日ドラフト1位指名)が7イニング中6イニングで走者を出しながらも、連打を許さず要所を締めた。
 決して本調子ではなかったが、上手く打たせて取り、3回以降は無四球。走者を出しても、しつこいけん制やクイックモーションでの投球で相手の機動力を封じるなど、持ち味の巧みな投球術を披露し、7回5安打2四球無失点。4回には、バックスクリーン左横に飛び込む2ラン本塁打を自ら放ち、試合を優位に進めた。
 8回からは星知弥投手(4年・宇都宮工/ヤクルトドラフト2位指名)が登板。6回無安打3三振で上武大打線を寄せ付けずに、3対0で明治大が快勝した。
 明治大は、これで2年ぶりの決勝進出となった。その2年前に

◎明治大・善波達也監督
「今日はグラウンドで打ってから神宮に来たのですが、(1班目で終わる予定の)柳が2班目でも打っていまして、よっぽど昨日本塁打を打った(佐々木)千隼に刺激されたのかな、と(笑)明日は、佐野(恵太)あたりがバチッと打って決め手欲しいです」

◎上武大・谷口英規監督
「柳くんとは役者が違いました。さすがです。力の差を感じる完敗でスッキリしています。ただ、4年生が中心となって、真面目に一生懸命に最後まで応援も裏方の仕事もしてくれました。この良さを引き継ぐとともに、圧倒的な差を感じたわけですから、もっと練習をやりこんでいかなければと思います」

四年生部員の必死の声援も届かずベスト4で敗退の上武大学

四年生部員の必死の声援も届かずベスト4で敗退の上武大学

★「佐々木だけじゃないということを示せました」
桜美林大 020020030=7
日本大  000001030=4
【桜】安田、増田、邑楽、宮崎—大平
【日】東、木村、山本、田村、弓削、上原—八田
本塁打:大平、小林颯(桜美林大)

エース・佐々木に代わってこの日先発した桜美林大・安田

エース・佐々木に代わってこの日先発した桜美林大・安田

「リーグ戦からリリーフ陣も好調でしたし、佐々木だけのチームじゃないことを示せました」と試合後に桜美林大・津野裕幸監督が語ったように、桜美林大が全員野球で、佐々木千隼投手(4年・日野/ロッテドラフト1位指名)を登板させずに、決勝進出を決めた。
 先発投手に抜擢されたのは今秋のリーグ戦で3試合5イニングしか登板していな右腕・安田颯投手(2年・日大三)。それでも初回に京田陽太内野手(4年・青森山田)を併殺打に抑えてリズムを作ると、味方打線が大平達樹捕手(3年・桜美林高)と小林颯外野手(3年・佼成学園)の本塁打など4点を奪って援護し、試合の主導権を握った。
 その後も3投手の継投で日大の反撃を最小限に留めると、打線も野手の先発8人中7人が安打を挙げるなど11安打で日大投手陣を攻め込み、7対4で東都大学リーグ王者の日本大を撃破した。
 創部8年目ながら、今秋の首都大学リーグと関東地区大学野球選手権(横浜市長杯)を立て続けに初優勝してきた勢いと実力をそのままに、初の全国大会となった明治神宮大会でも決勝に駒を進めた。

文:高木遊
写真:山本晃子