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巨人は生え抜きベテラン2選手が引退&戦力外 トライアウトにかけた選手も

高橋由伸政権1年目の巨人は広島に17.5差をつけられ、2位でペナントレースを終えた。クライマックスシリーズでは3位のDeNAに敗れ、ファイナル進出はならず。71勝69敗3分は物足りない数字だった。先発陣は菅野智之、田口麗斗くらいしか計算が立たず、中継ぎ、リリーフも盤石とはいえなかった。

■足のスペシャリスト鈴木は引退、加藤は現役続行へ

 高橋由伸政権1年目の巨人は広島に17.5差をつけられ、2位でペナントレースを終えた。クライマックスシリーズでは3位のDeNAに敗れ、ファイナル進出はならず。71勝69敗3分は物足りない数字だった。先発陣は菅野智之、田口麗斗くらいしか計算が立たず、中継ぎ、リリーフも盤石とはいえなかった。

 今オフはFA補強に乗り出す方針でDeNAの山口俊投手、ソフトバンクの森福允彦投手に照準を定めた。ドラフトでは即戦力投手を狙ったが2度の抽選に敗れ、中京学院大の大学ナンバー1野手の吉川尚輝内野手を指名。一方でチームを去る選手の中では大きなピースを失った。代走のスペシャリストとして支えた38歳の鈴木尚広外野手が引退を決断。また育成12選手にも戦力外を通告したが、大半が育成で再契約する見通しとなっている。

 ここで引退、戦力外になった主な選手を振り返ってみたい。

○鈴木尚広(引退)
プロ20年、1130試合、1339打数355安打、打率.265、228盗塁、10本塁打、75打点。

 福島・相馬高から1996年ドラフト4位で入団。俊足巧打の内野手として将来を嘱望され入団もケガが続き、1軍デビューは2002年。原辰徳前監督に見いだされ、一時はレギュラーとしてリーグVに貢献。晩年は代走の職人としてスチールを重ね、相手の脅威となった。200盗塁以上の歴代最高成功率8割2分9厘1毛を記録した。

○加藤健(戦力外―現役続行希望)
プロ18年目、185試合273打数59安打、打率.216、3本塁打、24打点

 新潟・新発田農から1998年に強打の捕手としてドラフト3位で入団。同期入団には大学から加入した上原浩治、二岡智宏ら。年齢では松坂世代にあたる。後に入団してくる2歳年上の阿部慎之助の存在があり、レギュラー定着することはなかったが、第2、第3の捕手として阿部がが離脱した時などを支えた。

■近鉄最後の最上位指名選手も戦力外に

○矢貫俊之(戦力外―現役続行希望)
プロ8年目、121試合6勝8敗1セーブ、15ホールド、防御率3.76

 仙台育英から常磐大、三菱ふそう川崎を経て、2008年ドラフト3位で日本ハムに入団。主に中継ぎとしてプレー190センチの長身から投げ下ろす力のあるストレートとフォークを武器にブルペンを支えた。2015年の6月に矢野謙次らとの2対2の交換トレードで巨人に移籍。しかし移籍初年度は3試合、今年は8試合のみにとどまった。

○香月良太(戦力外―現役続行希望)
プロ13年目、371試合18勝10敗3セーブ、77ホールド、防御率3.88

 2004年に近鉄の自由獲得枠でプロ入り。後に球団が消滅したため近鉄最後の最上位選手となった。精密機械のようなコントロールを武器にプロの波に飛び込んだがなかなか力を発揮できず。プロ6年目の2009年には3勝3敗20ホールドをマークするなど調子を上げてきたが安定した成績は残せなかった。2012年オフに東野峻らとの2対2の交換トレードでオリックスから巨人移籍。今年は2軍で41試合に登板したがついに戦力外となった。弟の良仁もロッテを戦力外になった。

○ウーゴ(金伏ウーゴ・戦力外―現役続行希望)
5年目、2試合0勝0敗、防御率27.00

 入団したヤクルトでは公式戦に2試合に登板しただけで、昨年オフに戦力外に。合同トライアウトを経て、左腕不足に泣く巨人が育成選手で契約した。3月末に支配下登録されたが、1軍登板はならず、2年連続で戦力外になった。

○阿南徹(戦力外―引退)
7年目、28試合1勝0敗2ホールド、防御率6.56

 オリックスから香月とともに交換トレードで2012年オフに巨人移籍。2013年はイースタンでローテでまわり、リーグ4位の8勝をマーク。その安定感を買われて、9月に移籍初の1軍登板。消化試合になったが10月には5回無失点でプロ初勝利を挙げた。2014年も4試合に登板しただけで、その後は1軍から声がかからなかった。戦力外通告を受け、引退することを決めた。

■トライアウトにかけた選手も

【育成】
○田原啓吾(戦力外―トライアウト)
4年目、1軍出場なし

 名門・横浜高で甲子園に出場。今年のドラフトで中日1位された柳裕也と2枚看板だった。落差の大きいカーブを武器に2軍で多く登板、秋季キャンプメンバーに入ったこともあったが、支配下登録はされず。トライアウトを受け、現役続行を見据えている。

○長江翔太(戦力外―トライアウト)
3年目、1軍出場なし

 190センチ、98キロの大型左打者。2013年の育成ドラフトで巨人に入団。パンチ力が持ち味で3軍から2軍に“昇格”する時期もあったが、ファームに選手が多い巨人でなかなか出場機会に恵まれなかった。育成再契約ではなく、現状打破へ向け、トライアウトを受験した。

○芳川庸(戦力外―トライアウト)
5年目、1軍出場なし

 2011年の入団テストで見事合格し、育成契約をスタートさせた。パンチ力のある捕手として期待されたがなかなか芽が出ず。本職の捕手だけでなく一塁で打撃を生かすことにもトライ。しかし思うように伸びなかった。まだ23際と若いが、再契約ではなくトライアウトの道を選んだ。

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