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高校野球

早稲田実業と履正社が決勝で激突!東西強豪校対決を制すのは!?【第47回明治神宮大会—高校の部】

試合終了時喜ぶ清宮(早稲田実)

明治神宮野球大会は14日、高校の部の準決勝2試合を行い、早稲田実業と履正社が決勝進出を決めた。

早稲田実業が2回戦で明徳義塾を完封した好投手・三浦銀二から6点を挙げて福岡大大濠を下した。注目の3番・清宮幸太郎は5打席すべてに出塁。続く1年生の4番・野村大樹が5打数3安打4打点と清宮の出塁を活かし、勝利の立役者になった。

制球力に優れる三浦は、今日も清宮以外の打者には四死球を与えていない。しかし清宮に対しては5打席で4四死球と苦しんだ。清宮に投じた全24球のうち、ストライクは6球のみ。彼が「チェンジアップと真っ直ぐで打ち取りたかったんですけれど、振ってくれなくて苦労した」と説明するように、清宮の選球眼が際立った。「どこ(に投げて)も打たれる気がしました」という圧迫感も、制球を乱す遠因になった。

清宮で神経をすり減らした三浦を待っていたが、右の強打者・野村だった。「フォアボールで逃げることができないですし、後ろに野村選手がいるということで投げにくさは増えました。良いバッターが二人続いていると、投げ難さはすごくあります」(三浦)

野村は初回に中前タイムリー安打を放つと、3回はタイムリー三塁打。7回の第4打席は「流れが悪かったし、追加点が欲しい場面だったので正直狙いました」というダメ押しの2ラン本塁打を放った。二塁打が出ればサイクル安打という大活躍だった。

HRを放ちガッツポーズの野村(早稲田実)

HRを放ちガッツポーズの野村(早稲田実)

7回の本塁打は野村にとっては高校通算23本目。清宮が高校1年生で放った本数(22本)を越える一打でもあった。大阪福島リトルシニア時代には侍ジャパンU-15にも選ばれた右のパワーヒッターが、左の巧打者・清宮とのコンビで輝いている。

福岡大大濠┃000|002|101┃4
早稲田実業┃102|010|20×┃6
早稲田実業:中川、赤嶺、服部―雪山
福岡大大濠:三浦―古賀

第2試合は履正社が札幌第一を7-2で下した。

履正社は今大会初登板の左腕・松井百代、二番手投手の右腕・田中雷太が試合を作り、8回には満を持してエースの竹田祐が登場する万全の投手リレー。打線も6番・松原任耶が2打点、7番・片山悠が3打点と1回戦、2回戦に続いて下位打線が爆発した。

8回からエースの竹田祐が登場する万全の投手リレーで履正社が決勝進出

8回からエースの竹田祐が登場する万全の投手リレーで履正社が決勝進出

注目の大型三塁手・安田尚憲は打点こそなかったが、4回に左中間をライナーで破る二塁打を放っている。「やっと1本しっかりしたのを打てた。しっかり頭を残して逆方向に打てた」と本人も納得顔の一打だった。

札幌第一┃000|100|100┃2 3 1
履正社 ┃004|000|21×┃7 6 1
履正社:松井、田中、竹田―片山
札幌第一:前田、髙田―西村

決勝戦は高校最高レベルの強打者を擁する、東西の注目校対決になった。

「(安田は)身体が本当に大きくて、自分の方が小さいので、存在感も大きいと思う。自分も意地があるので、しっかり力負けしないようにしたい」と清宮。

「清宮と戦えることは光栄。負けないバッティングをしたい」と安田。

今春と今夏、そしてその先の舞台でも張り合うことになりそうな強打者の競演が今から待ち遠しい。

文=大島和人
写真=山本晃子