BASEBALL GATE

侍ジャパン

侍ジャパン期待の新戦力コンビが炎上…、WBCに向けて左腕先発投手が課題

ピンチでマウンドに集まる侍ジャパンナイン

ピンチでマウンドに集まる侍ジャパンナイン


写真提供=Getty Images

 強化試合「日本対オランダ」の第2戦に12対10で勝利した侍ジャパン。2夜連続で大熱戦を制した形となったが、誤算だったのは先発した石田健太(横浜DeNA)と2番手で登板した田口麗斗(読売)の両左腕のパフォーマンスだった。
ともに侍ジャパン初召集。大卒2年目、現在23歳の石田は今季、先発ローテーションとして9勝4敗、防御率3.12と奮闘。高卒3年目、現在21歳の田口も今季10勝10敗と貯金は作れなかったが、リーグ4位の防御率2.72と成長した姿を見せても代表入り。「同じ日に同じ相手に投げさせた方が判断しやすいと思って投げさせたが、オランダのスイングスピードにやられて、ストライクとボールもはっきりしていた」と小久保裕紀監督。石田が3回5安打3四死球4失点で、田口は2回4安打1四球4失点。デビュー戦の重圧を差し引いても、WBC本番へ向けては大きな不安が残る投球内容で、試合後の権藤博コーチは「私にとっては最悪のゲームだった」とご立腹だった。
来年3月に開幕する第4回WBCは10日間で最大8試合を戦う過密日程となる。球数制限もあるために「投手は全部で13人。先発型の投手8人でリリーフが5人。小刻みな継投の方が計算が立つのであれば、先発7人、リリーフ6人にすることもある」と小久保監督は説明する。
注目は、その8人ないし7人を誰にするのかだが、小久保監督が「彼らが軸になる」と明かした大谷翔平(日本ハム)と菅野智之(巨人)を含め、今回の強化試合には石川歩(ロッテ)、野村祐輔(広島)、藤浪晋太郎(阪神)、武田翔太(ソフトバンク)、増井浩俊(日本ハム)、千賀滉大(ソフトバンク)と計8人の先発型投手が選ばれた。ここに則本昂大(楽天)、小川泰弘(ヤクルト)、西勇輝(オリックス)らが有力候補として加わることになる。
だが、今挙げた11人はすべて右投手。左の候補としては、今回の石田、田口に加え、大野雄大(中日)、菊池雄星(西武)、岩貞祐太(阪神)の名前が挙がるぐらい。松井裕樹(楽天)を先発で起用する手段もあるが、右投手と比べると質、量ともに差があり過ぎるのが現状だ。
リリーフでは宮西尚生(日本ハム)に加えて、追加招集した岡田俊哉(中日)も結果を残したが、依然として先発左腕は枯渇状態。割り切って「先発はすべて右投手で」という方法もある。11月中にはロースターを決め、年が明けた2月には最終メンバーを発表する予定。左腕不足とどう向き合うのか。小久保監督の決断に注目が集まる。