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いじめのない社会を創る!岩隈久志選手『BE A HERO』プロジェクト発足

子どもの貧困を救う「アス食プロジェクト」や東日本大震災の復興支援など、これまでも様々な慈善活動を積極的に行ってきたメジャーリーガーの岩隈久志選手が、いじめのない社会を目指す『BE A HERO』プロジェクトの発足を発表した。

◆未来ある子どもたちへのメッセージ

発足の背景には、岩隈選手監修のスポーツ施設「IWAアカデミー」に通う子どもたちとの出会いがあった。同アカデミーで指導を担当する木村匡宏トレーナーは「子どもたちの成長過程ではいろんなことが起こる。彼らに対し、どんなことをどう伝えるかをもっと追求しなくてはいけないと感じるようになった」のだという。

その中で、岩隈選手や木村トレーナーが着目したのが「いじめ問題」だった。「残念ながら、いじめが原因で部活動を停止するケースもある。子どもたちが正しいことを追求できるよう、僕たちも環境づくりをサポートしていきたい」(木村トレーナー)との思いで、スポーツ活動や学校生活が子どもたちにとってよりよい場所になるようにと、同プロジェクトを始動することになった。

専門家の立場でこの活動に参画する公益社団法人子どもの発達科学研究所の和久田学氏は、「いじめが起こると被害者の子どもを救うところに焦点が当てられることが多い。それももちろん大切だが、まずはいじめを起こさずに済む環境を作ること。当事者以外の子どもやまわりの大人が持っておくべきスキルに着目することも重要です」と語る。

和久田氏によると、いじめの科学的な研究は全世界で1990年代から行われており、いじめが起こる原因や効果的な対処法、いじめが起こらない集団の条件などはある程度解明されているという。しかし、日本では教育現場での導入がなかなか追いついていないそうだ。「そんな中で、岩隈選手のような著名なアスリートが『いじめをしないことがかっこいいことなんだ』というポジティブなメッセージを伝えることは、非常に価値のあることだと思います」と、和久田氏も今回の取り組みに大きな期待を寄せている様子だ。

◆一人一人がHEROになる環境づくり

このプロジェクトを牽引する岩隈選手は「今、世の中ではいじめの問題が大きく取り上げられていますが、僕が子どもの頃にも同じようなことがあって、絶対によくないことだとわかっていながら何故なくならないんだろうという思いは常にありました。和久田先生と出会って科学でいじめを解決できると知って、一人でも多くの子を救える環境を作りたいと思い、このプロジェクトを立ち上げることになりました」と、その経緯を説明。

また、「いじめは第三者がどう対応するかも大事。僕はいじめたこともないし、いじめられたこともないけど、もしかしたら知らぬ間に傍観者になっていたこともあったかもしれません。一人一人が信念を持って、勇気を持ってダメだと言えるかどうか。そういった環境づくりはとても大事です。誰かのことをヒーローとして憧れるのもいいことですが、自分の中にヒーローを作ることも大切だと思っています」と、『BE A HERO』というプロジェクト名の由来についても語った。

具体的な活動としては、同プロジェクトを世の中に認知させる啓発イベントの開催、教育や指導の現場で活かせるいじめ防止プログラム「TRIPLE-CHANGE」の実施、部活動包括マネジメントプログラムの「TEAM PLAY」の実施を全国規模で進めていくという。

“科学”というアプローチと、「ヒーローになろう」という岩隈選手の前向きなメッセージ。新たな手法でいじめのない社会を目指すこの取り組みに、今後も注目していきたい。