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侍ジャパン

不発に終わった「筒香の後」…、新オーダーは機能せず

小久保監督が打線のポイントにあげる筒香(横浜DeNA)

小久保監督が打線のポイントにあげる筒香(横浜DeNA)


写真提供=Getty Images

3対7――。11月10日、東京ドームで行われた「侍ジャパン強化試合 日本 対 メキシコ」の第1戦は、侍ジャパンの完敗に終わった。

 WBCを前にした年内最後の強化試合。第一の注目は、4日間の合宿を経た侍ジャパンがどのようなオーダーで臨むのかということだった。小久保裕紀監督が「筒香か中田。どちらも相応しい」とした4番、そして切り込み隊長となる「1番」とともに“ポイント”としたのが「筒香の後を打つバッター」だった。
今日の先発オーダーは、、1番に坂本勇人(巨人)、4番に中田翔(日本ハム)を指名。5番に筒香嘉智(DeNA)を置き、その後に内川聖一(ソフトバンク)を配置すると初回、いきなり新オーダーの効果が試された。1番・坂本が四球で出塁すると、2番の秋山翔吾(西武)が初球できっちりと送りバントを決めて1死2塁。ここから3者連続四球で押し出しの1点を先制したまでは良かったが、「筒香の後」の内川が2球で追い込まれると、4球目を詰まってセカンドゴロ併殺打。先制点から一気に畳みかけたいところだったが、最悪の結果で初回の攻撃を終えた。
さらに3回にも筒香が四球の後、2死満塁で内川に打順が回ってきたが、カウント1-2から116キロのカーブに手が出ずに見逃し三振。5回には筒香が目の前で同点のタイムリー2塁打を放ち、なおも2死2塁の場面だったが、1ストライクからの2球目を打ち上げて力のないセンターフライに倒れた。
 考慮すべきは、3打席すべてで直前に投手交代となったこと。内川の打撃能力に疑いの余地はなく、筒香が三振に倒れた後の8回の第4打席ではカウント1-1からの3球目の変化球にうまくバットを合わせてレフト前へのクリーンヒット。そこから1点を返したことも事実だ。ただ、仮に「筒香の後」が第3打席までに快音を残すことができていれば、試合の流れ、スコアは大きく変わったはずだった。
 試合後、「ずっと(筒香)嘉智の後が大事だと言っていて、今日はミートがうまいという点で内川を起用した」と話す一方で「1回の攻撃がもったいなかった」と嘆いた小久保監督。第2戦へ向けては「打順は入れ替えます」と明言した。初戦に敗れたことで、WBCに向けて第2戦での勝利は絶対条件となった。5安打で3得点に終わったオーダーにどのような修正を加えるのか。内川個人のリベンジとともに、小久保監督の決断、そして手腕が問われる第2戦となる。