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大学野球

猛練習重ねた大商大、強力2枚看板の関大が明治神宮大会で関西勢復権狙う

10月28日(土)から11月1日(水)にかけて大阪南港中央野球場で第15回大阪市長杯争奪関西地区大学野球選手権大会が行われた。この大会は第48回明治神宮野球大会の出場権をかけた戦いで関西地区に5つあるリーグの優勝校が2つしかない神宮への道を争った。

大商大(関西大1代表で神宮行きを決めた大商大)

■猛練習で強さを身に付けた大商大
第1代表で神宮行きを決めたのが関西六大学野球連盟代表の大商大。リーグ戦を10戦全勝で制すると関西地区代表決定戦も3連勝で勝ち抜き、4年ぶり4回目の明治神宮大会出場を決めた。過去2年はこの大会で敗れて神宮を逃していただけに喜びはひとしおだ。

主将の日下部光(4年・福知山成美)は優勝が決まると男泣きを見せた。「オフは遠征で車移動中の渋滞だけ」と富山陽一監督が冗談めかして話すように、大商大ナインはこの喜びを味わうため、夏からオフ返上で猛練習を重ねてきた。日下部は「連戦を乗り切る力は間違いなく一番強い」と練習の成果を口にした。神宮大会では6日間で4試合を戦わないといけないため、心身両面でのタフさが求められる。その意味では練習で得た連戦を乗り切る力は神宮大会を戦う上で大きな強みとなるだろう。

投手陣は尾田恭平(3年・智辯学園)、大西広樹(2年・大商大)、橋本侑樹(大垣日大・2年)と完投能力のある3投手を揃えており、選手層には不安はない。打線も右方向への巧打が光る2番の日下部、勝負強い打撃が持ち味で4番に座る滝野要(3年・大垣日大)を中心に穴がなく、全国でも十分に戦える戦力を整えている。猛練習で培った強さで悲願の日本一を目指す。

日下部(主将としてチームを牽引する日下部)

■2枚看板で頂点を目指す関大
6月の大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦で関西学生野球連盟が優勝したボーナスでスーパーシードを獲得し、決勝(第1代表決定戦)から登場した関西学生野球連盟代表の関大は決勝で大商大に敗れたものの、第2代表決定戦では大市大を2-0で下し、2年連続6回目の出場を決めた。

関大の強みは超強力2枚看板の存在だ。エースの阪本大樹(4年・履正社)は侍ジャパン大学代表にも選ばれた投手で秋のリーグ戦では現行リーグ新記録の62回連続無失点を達成した。阪本の持ち味はキレのあるストレートと抜群のコントロール。リーグ戦では67回を投げて四死球4と抜群の制球力を見せつけた。「神宮大会では0にこだわって点を取られても勝ち切れるピッチングをしたい」と意気込んだ。関西のミスター0が神宮のスコアボードにも0を刻み込むようなピッチングを披露できるだろうか。

阪本(リーグ戦で62回連続無失点を記録した阪本)

もう一人のエースである山本隆広(3年・桜宮)は最速150㎞の速球が自慢の豪腕。秋季リーグの近大戦では連盟史上2人目の完全試合を達成。大市大戦でも4安打完封と力を見せつけた。現時点ではプロ志望を表明しており、来年のドラフト上位候補にもなり得る好投手だ。その実力を神宮でもいかんなく発揮したい。

山本(150㎞の速球が武器の山本)

関西勢は1997年の近大を最後に日本一から遠ざかっている。日本一を目指して全国の強豪を相手に真っ向から挑む大商大と関大の戦いぶりに注目したい。

大会結果
1回戦     大商大8-2佛教大
        天理大9-5大市大
敗者復活1回戦 大市大3-0佛教大
準決勝  大商大3-1天理大
敗者復活準決勝 大市大4-3天理大
決勝  大商大4-1関大
第2代表決定戦 関大2-0大市大

文・写真=馬場遼